子どもの発達相談とは|相談できる内容・相談先・保護者が準備できること

子どもの発達相談とは|相談できる内容・相談先・保護者が準備できること

発達相談は、子どもの育ちで気になることを話し、毎日の過ごしにくさを減らす方法を一緒に考える相談です。診断が必要かを自分で決める前から、ことば、着替え、友だちとの遊びなどについて話せます。

「家ではできるのに」は、大切な手がかりです

説明用に作った例です。家では着替えられるのに、園では服を前にして動かなくなる子どもがいます。家では大人が一枚ずつ服を渡し、園では袋から必要な物を選んでいたとしたら、同じ「着替え」でも課題は違います。園では、服を選ぶ、順番を考える、周りの声の中で先生の話を聞くことも必要かもしれません。

「できるのに、しない」とまとめると、服を着る動作以外の難しさが見えなくなります。「一枚渡すと着られる」「写真があると順番が分かる」など、どんな助けがあると進むかも、相談で役立つ情報です。

子どもの力と、実際の暮らしを分けて考えます

WHOの国際生活機能分類(ICF)は、心身の働きだけでなく、生活の中ですることを「活動」、生活の場に関わることを「参加」として捉え、環境の影響も考えます[1]。診断名が同じでも、着替えや遊びで必要な助けが同じとは限らないためです。

ICFでは、標準的な環境で課題を行う力と、普段の環境で実際に行っていることも区別します。家庭と園のどちらかをそのまま「本当の能力」と採点する話ではありません。場面による違いを見れば、子どもの練習だけでなく、指示、道具、時間、周囲の手助けを変える道も考えられます。

ただし、環境を変えれば何でも解決するという意味でもありません。体の状態や発達上の特徴を医療で確かめることと、今日の生活を過ごしやすくすることは、並行して進められます。ICFも、子どもに診断をつけたり、親の関わりを採点したりする道具ではありません。

最初の相談では、何をするのでしょうか

窓口によりますが、保護者から気になることや育ってきた様子を聞き、子どもの遊びややり取りを見ることがあります。必要に応じて検査や受診を提案される場合もあります。一つの場面や検査の得点だけで、子どもの全体を決めるわけではありません。

相談で知りたいのは、「何ができないか」に加えて、本人が何を分かっていて、どこから助けが要るかです。言葉を理解する難しさと、分かっていても大勢の前では動き出せないことでは、役立つ支えが違います。保護者の説明と園の見方が違う場合も、片方を否定するより、それぞれの場面を確かめる材料になります。

提案を受けたら、「服を着る動作と、準備のどちらを助けるためですか」「今の家庭でできる形はありますか」と尋ねられます。家で続けにくければ、その事情も相談の一部です。記録や練習を増やすこと自体が目的ではありません。

診断を待つ間も、生活の相談はできます

乳幼児なら市区町村の保健センターや母子保健担当、園・学校では日々の過ごし方や学習、診察や診断は小児科・発達外来などが窓口になります。地域で名前や対象年齢が違うため、市区町村へ「発達のことで、まず保護者だけで話せる先を知りたい」と尋ねてもかまいません。

受診の予約が先でも、「園で困る場面を一つ、過ごしやすくできないか」という話は続けられます。反対に、急にできていたことが難しくなった、体調や意識がいつもと違う場合は、発達相談の日を待たず医療へ相談してください。

持っている情報と、保護者自身の気持ちから

母子健康手帳や連絡帳など、すでにある物が役立つ場合があります。持ち物は予約先へ確認し、子どもを何度も試したり、嫌がる様子を撮影したりする必要はありません。思い出せる一場面から始められます。

「家では__の助けがあるとできます。園では__で止まると聞きました。何を難しく感じているのかと、生活で使える助けを一緒に考えたいです」

心配で眠れない、園の話を聞くのが怖いなど、保護者自身のつらさも話してよい内容です。ALVARAでは18歳以上の保護者ご自身の不安や関わり方を相談できます。子ども本人の発達診断・検査・治療は、対応する公的窓口や医療機関へご相談ください。

参考・引用文献

発達障害ナビポータル「乳幼児期のお子さんについて相談したいとき」 / 発達障害ナビポータル「医療機関への受診について」 / こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」 / [1] World Health Organization(2001)International Classification of Functioning, Disability and Health: ICF. Geneva: WHO. 厚生労働省(2002)日本語版「国際生活機能分類」序論・活動と参加。

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。