5歳児健診は、就学前の子どもの健康や育ちを確かめ、子どもと保護者が困っていることを相談する機会です。「小学校で大丈夫だろうか」「園と家で様子が違う」といった心配も話せます。
5歳頃に、生活の中で見えやすくなること
子どもが成長すると、簡単な会話ができるかだけでなく、相手の話を聞く、遊びの順番を待つ、予定の変更に対応するなど、いくつかの力を一緒に使う場面が増えます。以前は困らなかったことが目立っても、必ずしも急に能力が下がったとは限らず、周りから求められることが変わった場合もあります。
説明用の例です。家ではよく話す子どもが、園では皆の前で黙り、健診でも答えなかったとします。話す力、質問を理解すること、初対面の人の前で答えることは同じではありません。「家では誰と何を話すか」「どの場面では難しいか」も伝えると、当日の姿だけに偏らず相談できます。
着替え、食事、眠り、遊びを終える難しさ、保護者の疲れも話してよい内容です。小学校に入れるかを合否判定するために、できる項目をそろえる場ではありません。
当日の流れは、自治体の案内で確かめられます
問診や診察、必要に応じた専門職への相談などがありますが、内容や受け方は自治体によって異なります。こども家庭庁は5歳児健診の全国展開を進めています。お住まいの地域でいつ、どのように実施するかは、市区町村の母子保健担当や保健センターへ確認してください。
初めての場所や待ち時間が苦手なら、「人の多い所でつらくなります。どんな順番で受けますか」と事前に尋ねられます。待てる場所や付き添いについても、可能なことを聞けます。ほかの子と同じ受け方ができることを、目的にしなくて大丈夫です。
準備は、気になる場面を一つ思い出すくらいでも
自治体から指定された物を確認し、あとは、今いちばん聞きたいことを一つ置いておくと話しやすくなります。母子健康手帳やすでにある園の連絡帳も役立つ場合があります。毎日の詳しい記録を新しく作る必要はありません。
「着替えが遅い」だけでは話しにくければ、「朝は服を選ぶところで止まります。一枚ずつ渡すと着られる日があります」と、思い出せる様子を足せます。できない場面を証明するために子どもを試す、会場で答えられるよう練習を繰り返す、といった準備はいりません。
「いちばん聞きたいのは__です。家では__ということがあります。今日のお話の後、誰へ相談するとよいかも教えてください」
健診で気づくことと、診断することは違います
発達を長い時間の中で見守ること、質問票などで詳しく相談したい人を見つける「スクリーニング」、専門的に背景を調べる評価や診断は、役割が異なります。米国小児科学会の報告もこれらを区別し、保護者の心配や育ちの経過、ほかの場面の情報を含めて考えています[1]。日本の5歳児健診の内容や紹介の進め方は、自治体の案内で確かめます。
スクリーニングは、少ない情報で次の相談につなぐ入口です。気になる結果が出た全員に診断がつくわけではなく、問題が指摘されなかったから今後も困らない、と保証するものでもありません。家庭や園の様子と合わないと感じたら、その違いを伝えてよいのです。
「様子を見ましょう」と言われたら、何を、どのくらい見て、次は誰に話すかを聞けます。記録を増やす宿題にするより、「着替えの困り方が続くなら、来月もう一度連絡する」のように次の接点を持てると、待つだけにならずに済みます。急な体調の変化は健診を待たず、医療へ相談してください。
健診の後、保護者の気持ちが追いつかないとき
安心することも、心配が増えることもあります。すぐに全部理解して前向きになる必要はありません。保健師へ説明を聞き直したり、園へ普段の様子を尋ねたりするほか、自分の不安だけを話す時間も持てます。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の相談に対応し、5歳児健診や子ども本人の診断・治療を行う窓口ではありません。
参考・引用文献
こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」 / 発達障害ナビポータル「乳幼児期のお子さんについて相談したいとき」 / [1] Lipkin, P. H., & Macias, M. M., Council on Children With Disabilities, Section on Developmental and Behavioral Pediatrics(2020)Promoting Optimal Development: Identifying Infants and Young Children With Developmental Disorders Through Developmental Surveillance and Screening. Pediatrics, 145(1), e20193449. DOI: 10.1542/peds.2019-3449.
記事のつくり方
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このコラムについて
本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。
