習い事をやめたいという言葉は、継続の意志だけで判断せず、何がつらく、何を変えたいかを聞く入口にできます。活動そのもの、指導や友人関係、疲れ、家族の予定を分けて考えます。続けることも、休むことや終えることも、具体的な条件から相談できます。
「やめたい」の先にある、一つの場面を聞く
新しく覚えることが難しい、発表で見られるのが嫌、指導者が怖い、学校の後は疲れて動けない。同じ一言にも、違う理由が含まれます。「何でもすぐ逃げる子」と全体の性格を判断する前に、いつから、どの時間で、どんなことが起きたかを聞けます。
AACAPの放課後活動の案内は、子どもの興味や力、必要な休息に合わせて活動を考え、大人の希望を押し付けず、繰り返し抵抗があるときは本人の考えや気持ちを聞くことを勧めています。[1] 活動は多いほどよいとも、自由な時間が多ければ問題だとも、一人ひとりへ決めるものではありません。
説明用の例です。水泳を始めた子が、前夜からやめたいと言います。泳ぐのは好きでも、着替えの時間に年上の子から笑われることが分かりました。この場合、泳ぐ練習を家で増やしても、変えたい状況は残ります。活動名と、その場所での経験を分けることが役立ちます。
不安を支える話と、安全を守る話を分ける
初めての課題が怖いのか、実際に侮辱や暴力等があるのかでは、対応は違います。後者が疑われるときは、本人を慣れさせるために同じ状況へ戻すことを優先しません。施設の責任者や必要な専門窓口へ、起きていることと現在の安全を相談します。
不安がある場合も、「大丈夫だから行ってきなさい」とだけ押し切らず、何を予測しているかを聞けます。NHSの子どもの不安の案内は、心配を決めつけたり否定したりせず、何が不安かを話す前に強い負担の場面へ無理に入れないことを示しています。[2] これは、不安があればすべての活動をやめるべきという意味ではありません。
先ほどの例では、まず着替えの安全を確認します。別の例で、本人が挑戦はしたいが初めての発表だけが怖いなら、発表の流れや練習方法を指導者へ聞くことができます。何を変えたかと、本人がその後どう感じたかを見ながら選びます。
費用や送迎の負担も、大人の話として出してよい
道具をそろえた、月謝を払った、送迎のため予定を変えた。親側にも現実の負担があります。「お金をかけたのだから続けるべき」と子どもだけへ返すのでなく、これから何が必要かを大人が確認する課題にできます。使った費用を取り戻すために、今後の負担まで増やす必要があるかは別に考えられます。
例えば、退会や休会の条件、次の更新時期、道具をどう扱えるかは、施設へ確認します。子どもが謝るために契約の話を一人で担う必要はありません。一方、本人の希望を聞かずに大人の都合だけで決めるのでなく、「今月の条件を確認してから、いつまでに返事するかを話そう」と見通しを示せます。
家庭の経済状況や仕事の都合から続けにくいこともあります。それを、本人が十分に好きではなかったからと説明する必要はありません。「続けたい気持ちは聞いています。今の送迎と費用では難しいので、近い場所や別の方法があるか調べます」と、本人の希望と家庭の条件を分けて話せます。
続ける・やめるの間にも、確かめられる選択がある
頻度を減らす、一定期間休む、指導する人やクラスを変える、見学してから考える等が可能かを施設へ聞く方法も考えられます。 ただし、どれも必ず用意される選択ではありません。選べる案を確かめず、「一度休めば戻れる」と子どもへ約束しないようにします。
休む場合は、いつ何を見直すかを話せる範囲で決めます。「来月またやるか毎日聞く」より、「休んで二週間後、体調と続けたいことを一度話す」のような区切りも考えられます。休んでいる間も、継続する気持ちがある証拠を示し続ける課題にしなくてよいのです。
やめると決めた後も、学んだことや楽しかった経験まで無かったことにはなりません。別の活動をすぐ始めることで、終える選択を正当化する必要もありません。寂しい、ほっとした、少し後悔する気持ちが後で出ても、それだけで決定が間違いだったと確定するわけではありません。
指導者へ相談した結果、選択肢が無かった場合も、本人の希望が間違いだったことにはなりません。「この教室で変えられること」と「ほかの場を探すこと」を分けられます。子どもが大人を説得し切れるまで通い続ける条件にはしないよう考えます。
親の心配と、本人の課題を別に相談できる
「一度やめたら、将来何も続けられないのでは」と不安になることがあります。しかし、一つの活動の終了から、その子の将来や全ての粘り強さは決まりません。今、課題の何が難しいかを見て、必要な技能の支援、休息、環境の変更等を考えます。
家庭の話し合いが毎回責め合いになる場合は、「自分の期待と本人の希望を分けたい」と保護者だけで相談することもできます。不安や疲れが習い事以外へも広がり、睡眠・食事・学校等に影響する場合は、小児科や子どもの相談機関へ状況を伝えられます。[1][2] 単にやめたいと言ったことを受診の理由として病気に結びつけるものではありません。
ALVARAでは18歳以上の保護者ご自身が、迷いや伝える言葉を相談できます。指導者や施設の安全性を判定したり、子どもの治療を行ったりする場ではありません。「続けてほしい自分の気持ちが強くなります。本人がやめたい一場面と、家庭の条件を一緒に整理したいです」と伝えられます。
次に決めることを、「この先ずっと続けるか」ではなく、「いま安全に通えるかを施設へ聞く」まで小さくできる場合もあります。大人の期待も子どもの希望も隠さず、確認できる条件を持って選び直せます。
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参考・引用文献
記事のつくり方
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このコラムについて
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