仕事を失った後は、次の就職先を決める前に、当面の暮らしを支える相談を始められます。手続きの期限と気持ちの回復を、同じ速さで進めようとしなくてかまいません。
失うのは、収入だけとは限らない
説明用の例です。契約が更新されず、朝に行く場所がなくなりました。支払いを調べる必要があるのに、以前の同僚から届く連絡を見ては、恥ずかしくてスマートフォンを閉じてしまいます。「時間ができたのだから活動できるはず」と考えるほど、何も進まない自分への責めが強くなります。
仕事は収入のほか、日課、人との接点、役割や達成感にも関わります。WHOも、働くことが暮らしの構造や所属を支える面を整理しています。[1] そのため、仕事を失ったつらさは金銭面だけで説明し切れない場合があります。ただし全員が同じ喪失を経験するという意味ではなく、職場から離れてほっとした気持ちがあってもかまいません。
安心と不安が交互に来る、前の職場へ怒りがある一方で戻りたくなるなど、気持ちは一つに決まらないことがあります。次の仕事を探す意思があっても、失ったものについて話す時間は持てます。気持ちが落ち着くまで相談してはいけない、という順番にはしなくてよいのです。
今日の用事と、今後の選択を分ける
先ほどの例なら、求人をすべて調べる前に、「生活費はいつまで足りるか」「届いている書類のうち何に期限があるか」を一つずつ確かめます。完璧な家計表や経歴書ができてからでなくても、窓口で確認できます。分からない書類を持って行き、「これは何の手続きですか」と尋ねるだけでも相談の始まりです。
雇用保険の基本手当は、退職すれば全員に自動的に支給されるものではなく、加入期間や、働く意思・能力等の要件があります。病気等ですぐ働けない場合には、受給期間の延長を相談できることもあります。[2] 「働けると言わないと助けを使えない」と無理に申告せず、体調と実情をハローワークへ伝え、該当する手続きを確認してください。
離職理由や契約更新の経緯に疑問があるときは、書類に書かれたことと自分が把握していることを分けて伝えます。給付の取扱いはハローワークへ、解雇・雇止めなどの労働上の争いは労働相談へというように、役割を分けられます。この記事から自分の受給資格や会社の違法性を決める必要はありません。
生活の相談は、就職が決まってから使うものではない
家賃や食費が心配なら、自治体の自立相談支援機関等へ、仕事と生活の困りごとを相談できます。生活困窮者自立支援制度には、住まい、家計、就労準備等を扱う仕組みがあります。[3] 利用条件や地域で受けられる支援は異なり、相談だけで給付や住居が保証されるわけではありません。それでも、何が対象かを本人一人で判定し切ってから行く場所ではありません。
相談に持っていく情報を最小限にするなら、「今は仕事がなく、次の家賃が不安です。利用できる窓口を知りたいです」と言えます。支払いの期日が迫っている場合は、その点を先に伝えます。家族や友人に頼むなら、金銭援助だけでなく、書類を一緒に見る、窓口へ同行するなどの実務の助けも考えられます。
心理相談は家賃や給付の決定をできません。生活が切迫しているときに、有料の面談だけで乗り切ろうとしないことも大切です。経済的な支えの相談と、恥ずかしさや怖さを話す場所は、同時に使えます。
一日を「仕事を探せたか」だけで採点しない
求職活動の量を増やす前に、睡眠、食事、外出など、生活の土台がどうなっているかを見ます。全てを整える宿題ではありません。昼夜が逆転して窓口へ連絡できないなら、まず問い合わせる一回だけ誰かに手伝ってもらうなど、今の用事に近い助けを選べます。
また、職場の人へ近況を話せないことと、誰にも頼れないことは同じではありません。前職とは関係のない人や窓口なら、説明しやすい場合もあります。「仕事はどう」と聞かれるのがつらいなら、今は結果を報告するより、普段の会話や散歩に付き合ってほしいと伝えられます。
次の仕事を考えるときも、すぐ理想のキャリアを言葉にしなくてかまいません。生活上必要な条件と、前職で消耗したことを分けて、職業相談で確かめていけます。「前と同じ仕事なら応募できるが、同じ勤務時間は難しい」のように、仕事内容と働き方を別々に見る余地があります。
心理相談では、仕事のない自分をどう見ているかを扱える
「家族に申し訳ない」「経歴の空白を説明できない」といった怖さは、手続きだけでは片づかないことがあります。心理相談では、失業した事実が「人として失格」という判断に広がっていないか、前の仕事が自分にどんな意味を持っていたかを話せます。就職する意思を試す場所でも、前向きな物語へまとめる場所でもありません。
眠れない・食べられない状態が続く、生活上の判断が難しいなどの変化がある場合は、医療機関や地域のこころの相談にもつながれます。自分の安全を保てないほど切迫しているときは、通常の予約を待たず、近くの人の支えと緊急の医療を優先してください。
説明用の一言:「次の仕事をどうするかの前に、今月の支払いと、通知を見るだけで動けなくなることを分けて相談したいです。」
ALVARAの18歳以上の個人相談では、失業後の喪失感や自己評価、助けを使うことへの迷いを話せます。職業紹介、給付の認定、労働問題の法的判断は、それぞれの専門窓口で確認します。
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参考・引用文献
記事のつくり方
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このコラムについて
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