子どもの友人関係やいじめが心配なとき

友人関係やいじめが心配なときは、まず子どもが安全に過ごせることを優先し、話を聞いて学校や必要な窓口へ助けを求めます。暴力、脅し、金銭要求、性的な被害などがあり、危険が差し迫っている場合は、学校や警察などへ連絡し緊急の対応を優先してください。

いじめかを家庭で確定する前に、苦痛を聞けます

説明用の場面です。子どもが「クラスのチャットで、自分だけ返事をしてもらえない」と話します。保護者は「自分も何かしたのでは」「友だち同士ならよくある」と考えるかもしれません。それでも、まずは「話してくれてありがとう。つらかったね」と受け止められます。

日本のいじめ防止対策推進法の定義は、関係のあるほかの児童生徒から心理的・物理的な影響を受け、本人が心身の苦痛を感じていることを重視しています[1]。「悪意が証明できる」「何度も繰り返された」「一方的に弱い立場だった」ことを、親が先に証明して初めて相談できるわけではありません。逆に、個別の事実や必要な対応は、学校等が確かめる必要があります。

子どもの対人技能や考え方だけを直す話にすると、環境で起きている被害を見落とすおそれがあります。詳しい経緯は聞ける範囲で確かめ、同じ話を何度も最初から説明させたり、証明できないことを責めたりしないようにします。

「先生には言わないで」と言われたら

言った後にひどくされる、皆の前で説明される、親が勝手に相手へ連絡することなどを恐れているかもしれません。何が心配かを聞き、「先生に伝えるなら、まず誰へ、どこまで話すか一緒に考えたい」と伝えられます。

ただし、命や身体の危険に関わることは、誰にも言わないと約束できません。「守るために、大人の助けが必要だと思う。伝える内容はできるだけ説明するね」と話し、保護者だけで抱えず相談してください。子どもの希望を聞くことと、安全の判断を本人に任せきることは違います。

事実を確かめる話と、今の安全を守る話を並行します

誰が何をしたかの調査には時間が必要な場合があります。しかし、その間の接触、休み時間、登下校やネット上の被害を、何もせず待つ必要はありません。学校には、調査の進め方に加えて、本人が明日どこで誰を頼れるかを相談できます。

席や活動場所を離す、休み時間に見守る、困ったときに行ける場所を決めるなど、本人の怖さに対応する具体策が考えられます。謝罪の場を作ることと、被害が止まり、本人が安心して過ごせることも同じではありません。直接の話し合いや仲直りを急ぐ前に、本人の希望と安全を確かめます。

「本人から__と聞き、今は__を怖がっています。事実を確かめる間の接点と、困ったときに話せる先生を相談したいです。本人への聞き方と、次に説明を受けられる日も教えてください」

担任だけで進まないときは、学年主任、管理職、教育委員会等へ相談できます。相談日と返ってきた説明を分かる範囲で残し、記録を完璧にそろえるまで支援を待たないでください。

残っている記録は大切に、証拠集めは無理をせず

メッセージや壊れた物など、すでにある記録を安全な方法で残せる場合があります。ただし、子どもへ相手とのやり取りを続けさせたり、危険な場所へ戻らせたりして集める必要はありません。ネット上の被害は、広く転送して相談するとさらに拡散することもあるため、扱い方を学校や警察などに尋ねてください。

腹痛、眠れなさ、食欲の低下などがある場合は医療へ相談でき、自傷や「消えたい」という言葉があるときは、安全を確かめて早く適切な支援へつなぎます。保護者の不安や怒りも大きくなる場面です。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の気持ちや伝え方の相談に対応します。学校の調査や、子ども本人の治療に代わるものではありません。

参考・引用文献

厚生労働省「家族で子どもと向きあうポイント」 / 文部科学省「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン(令和6年8月改訂版)」 / 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」 / [1] 文部科学省(2016)「いじめ」の定義の解釈について(論点ペーパー)。いじめ防止対策推進法第2条の定義の解説。

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。