不登校の子どもへの関わり方|保護者の対応と学校との連携

不登校の子どもへの関わり方|保護者ができること・避けたい対応・相談先

不登校の子どもを支えるとき、まず大切なのは、安心して暮らせることと、必要な人や学びにつながり続けられることです。毎朝登校させる説得だけが、保護者の役目ではありません。

きっかけと、今も難しい理由は同じとは限りません

友人との出来事をきっかけに休み始めても、その問題が収まった後に、授業の遅れや久しぶりに教室へ入る怖さが加わることがあります。最初の理由だけを解決すれば、以前と同じように戻れるとは限りません。逆に、最初の原因を完全に説明できなくても、今の困り方は相談できます。

学校への行きづらさを扱う研究レビューは、身体やこころの状態、学校での被害、学校環境、家族や暮らしの背景など、多様な要因と支援を整理しています[1]。欠席という同じ姿から、一つの病気や家庭の原因は決められません。海外研究で使う欠席の分類と、日本の制度上の「不登校」も同一ではありません。

「授業は難しいが担任の短い連絡なら読める」「友人には会いたいが教室へ入るのが怖い」といった違いがあれば、本人が保てるつながりから考えられます。不安を下げることだけでなく、安心、学び、本人の希望、体調を別々に確かめるためです。断ったことだけで、回復する意欲がないとは判断しません。

支援を始めた後は、何が楽になり、何が残ったかを

例えば、担任からの短い連絡は読めるようになったのに、教室の話になると黙ってしまう場面を考えます。登校に結びつかなかったから連絡が無駄だった、と決める必要はありません。人とのつながりは保ちやすくなった一方、教室に入る怖さや授業の難しさは残っているかもしれません。

担任やスクールカウンセラーへは、「短い連絡は受け取れています。ただ、教室へ入る話は難しいままです」と、変わった点と残った点を分けて伝えられます。体調や保健室の使い方は養護教諭にも相談できます。「次は登校日を増やす」と先に決めず、残っている負担を確かめて、会う人や場所、学ぶ方法を考え直します。

本人が断ったなら、「今は難しい」のか、その人や方法が合わないのかを、話せる範囲で聞けます。説明が難しい場合も、保護者だけで原因を当てる必要はありません。学校で最近の様子を知る教職員や、継続して関わる心理職へ、分かっていることを持ち寄れます。

学校とは、明日の出欠以外の話もできます

毎日の電話が重いなら、担任など学校側の連絡担当者を決め、連絡の方法や、学校の話を本人へどう届けるかを相談できます。教材を受け取る、保健室など別の場所を使う、教育支援センター等を知るなどの道もあります。使える方法は学校や地域で違い、本人に合うかを考えて選びます。

学校外や自宅での学習が出席や成績にどう扱われるかは、一律ではありません。文部科学省の案内を参考に、学校へ確認してください。「利用すれば必ず出席になる」という約束で、子どもへ活動を勧めないことも大切です。

「今は登校の約束をすることが難しいです。本人が受け取れる連絡の方法と、家でできる学びや相談の選択肢を知りたいです。保護者への連絡も、__の方法で相談できますか」

休息と、生活の広がりを一緒に考えます

緊張が強かった子どもにとって、まず家で休めることが必要な場合があります。一方、家の中でも昼夜のずれ、孤立、学びへの不安が増すなら、休ませるか動かすかの二択ではなく、学校の担当者やスクールカウンセラーへ、何が負担を増やしているかを相談できます。休息が必要な時期を、登校のための毎日の訓練で埋める必要はありません。

本人が好きなことを続ける、受け取りやすい教材を一つ選ぶ、安心できる人と短く話すなど、学校へ行く以外にも守れる活動はあります。ただし、保護者が予定を次々用意するのではなく、本人に合う形を担任や教育支援センター等の担当者と探します。出席日数だけでは、体調や安心が良くなったかまでは分かりません。

身体症状や昼夜の大きなずれは、だらしなさと決めず小児科等へ相談できます。眠れない・食べられない状態が強い、急な変化、自傷の心配がある場合は、学校との相談だけで待たず医療や適切な緊急支援へつなぎます。

学校の話をしない時間も、親子の時間です

顔を見るたび「明日は行ける?」と確かめるやり取りになっているなら、食事や好きな番組など、登校の返事を求めない話題を少し残せます。学校のことを話す時間と、ただ親子で過ごす時間は、両方あってよいものです。

話さない子どもをそのままにする、ということではありません。「食事はここにあるよ」「話したくなったら聞くよ」と、連絡やつながりは続けられます。返事が少なくても、すべて拒絶されたと決めなくてかまいません。一方、いじめや暴力、身体の不調は、気持ちが整うまで待たずに大人が相談する必要があります。

支える保護者にも、話す相手が必要です

仕事や家事、周囲への説明を抱えて、優しくしたくてもできない日があります。学校の相談室や地域の保護者向け窓口には、親だけで話せる所もあります。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の気持ちや学校への伝え方を扱います。子ども本人を登校させる指導や診断・治療を提供する場ではありません。保護者が休めることも、暮らしを支える一部です。

参考・引用文献

文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」 / 厚生労働省「家族で子どもと向きあうポイント」 / [1] Kearney, C. A.(2008)School absenteeism and school refusal behavior in youth: A contemporary review. Clinical Psychology Review, 28(3), 451–471. DOI: 10.1016/j.cpr.2007.07.012.

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。