学校や園とのやり取りがつらいとき

学校や園とのやり取りがつらいとき、毎回うまく説明する力だけで乗り切る必要はありません。話す内容を絞る、方法を変える、別の職員や相談先を加えるなど、やり取りの形から相談できます。

電話が来るだけで、責められる気がするとき

説明用の例です。園から子どもが友だちとぶつかった話を何度も聞き、電話を見るだけで緊張するようになりました。先生は出来事を伝えていても、保護者には「家で直してください」と聞こえることがあります。そう感じた自分を弱いと決めつけず、何を求められているかを聞き直せます。

「今日の様子を知るための連絡ですか。家庭で何かしてほしいことがありますか」と尋ねると、話の行き違いが分かる場合があります。実際に不適切な発言を受けたときまで、親の受け止め方だけを直す必要はありません。

出来事、説明、お願いを分けて聞く

「お友だちを押しました」は出来事の報告、「注目してほしかったのかもしれません」は理由についての仮説、「家でも話してください」は提案です。これらが一度に伝わると、保護者には、理由が確定し、家庭が直す責任まで決まったように聞こえる場合があります。

「押す前には何がありましたか」「その理由は、どの様子から考えましたか」「園では何を変えられそうですか」と分けて聞けます。仮説を否定するためではなく、家庭と園で確かめられること、実際に引き受けることをはっきりさせるためです。うまく質問できない日は、この区別を後から相談先と整理してもかまいません。

面談へ持っていくのは、一つの話でも十分です

子どもの成長や家庭の事情を全部説明し直すつもりで行くと、疲れてしまいます。「今日は、朝の受け渡しをどうするか話したいです」のように、いちばん困ることを先に伝えられます。資料があれば持参し、なければ最近の一場面を話せます。

家庭で見ている様子と、学校や園での様子が違う場合は、「家ではこうですが、園ではその前に何がありましたか」と聞けます。相手を否定するためでなく、同じ子が違う場所でどう過ごしているかを知る話です。例えば、家では一対一で伝え、園では一斉の説明だったなら、同じ指示でも必要な力が違います。「家庭と園のどちらが正しいか」より、何を変えると本人が動きやすいかを一緒に試せます。発達障害情報・支援センターも、環境による違いを踏まえて家族と話すことを大切にしています。

その場で、全部に返事をしなくてもよい

専門用語が分からない、提案が多くて混乱した、言葉に傷ついて考えられなくなった場合は、「今日は持ち帰って考えたいです」と区切れます。「家庭では具体的に何をする意味ですか」と、生活の言葉で説明してもらうこともできます。

話が広がったら、「ほかのことも大切ですが、今日は迎えのときの対応へ戻したいです」と言えます。できない提案を、その場の空気で約束しなくてかまいません。「仕事中は電話に出られません。その場合の連絡方法を考えたいです」と、親の事情も話せます。

終わりには、次に何が起きるかを短く

面談の終わりに「明日から学校でしていただくのはこのこと、家で考えるのはこのこと、という理解で合っていますか」と確かめられます。まだ決まらない点は、次に誰へ聞くかだけ分かっていればよい場合もあります。長い議事録を自分一人で作る必要はありません。

後から説明が違うと感じたら、短い文章で聞き直せます。電話より連絡帳やメールが使いやすい、説明を聞くと頭が真っ白になるので同席者がほしい、といった希望も、可能かどうか相談できます。

同じ窓口だけで行き詰まる場合は

心理的な理解を深めることと、連絡や支援の仕組みを整えることは、重なりますが別の仕事です。文部科学省の資料は、スクールカウンセラーには心理的な理解や相談、保護者・教職員への助言など、スクールソーシャルワーカーには生活環境への働きかけや関係機関との連携・調整などの役割を整理しています。[1] 担任への説明を繰り返すだけで進まないときに、別の視点を加える選択肢です。

実際の配置や相談できる内容は地域・学校で異なり、二つの職種が完全に別々の問題だけを担当するわけではありません。「電話の前後に強く緊張することを相談したい」「仕事中の連絡と迎えの調整で困っている」など、必要な助けから窓口を尋ねられます。

学校なら学年主任、養護教諭、管理職、スクールカウンセラー、教育委員会等、園なら責任者や自治体の担当窓口などへ相談できる場合があります。別の人を加えることは、ただ相手を責めるためではなく、親子が必要な助けにつながるためにも使えます。子どもへの暴力や被害が心配な場合は、通常の面談調整だけで待たず、適切な機関へ安全の相談をしてください。

面談の前後に眠れない、毎日説明を考えて休めないなど、保護者自身のつらさも相談できます。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の気持ちや伝え方を扱います。学校や園の対応を調査・決定する機関ではありません。相手と話す準備をする時間と、自分の話を聞いてもらう時間を、別に持つこともできます。

参考・引用文献

発達障害情報・支援センター「支援につなげる(保育・学童保育)」 / 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」 / こども家庭庁「こども家庭センター」 / [1] 文部科学省(2024)「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(答申)参考資料集, p.118(SC・SSWの職務内容)。

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。