受験や進路への不安が強い子どもには、結果を保証する励ましより、今何がつらく、どんな助けがほしいかを聞けます。進路を決める話と、今日の眠りや食事を守ることは、分けて考えてかまいません。
知識の不足と、不安で力を使いにくいことを分けます
受験の不安には、「落ちたらどうしよう」という考え、動悸や腹痛、机に向かえない・何度も確かめるといった行動など、いくつかの表れ方があります。準備が足りないための心配と、準備しても不安が強く取り組みにくい状態では、必要な助けが同じではありません。
238研究のメタ解析では、テスト不安と成績等の間の負の関連や、試験が難しいと感じること・結果の重大さと不安との関連が報告されています[1]。集団での関連なので、「不安があるからこの子は点を取れない」と原因を決めたり、不安をなくせば合格できると保証したりはできません。
説明用の例です。模試の後に「もう無理」と言う子へ、「頑張っているから受かる」と返しても届きません。結果が怖いのか、勉強法が分からないのか、親を失望させるのが怖いのかは別です。「今は聞いてほしい? 方法を考えたい?」と、必要な助けから尋ねられます。怖さを聞くことは、不合格になる予測へ同意することではありません。
本人が選ぶことと、家庭が支える用事を整理します
進路には、本人が興味や希望から選びたいことと、学費・通学・出願等の現実的な制約があります。「全部好きに決めて」と任せることも、「失敗しないよう親が決める」ことも、本人が考える助けになるとは限りません。
「候補は自分で考えたい。費用や必要な手続きは一緒に確かめたい」といった分け方ができます。保護者が手伝う範囲も、毎日進み具合を問い続けるより、いつ何を確かめるかを話しておく方法があります。分からない制度や奨学金は、学校等の窓口で確認できます。
「あなたのためにここまでした」という言葉が、本人には失敗できない責任になる場合もあります。親の期待やお金の心配は大人の相談先でも扱い、本人へは分かっている範囲を具体的に伝えます。緊張への助けと、学習や出願の実務を、別々に持てます。
進路の話をしない時間も残す
食事中も送迎中も進路の話になると、家で休む時間がなくなることがあります。「今日は夕食では受験の話は休もう」と決められます。好きなことをして笑えた時間を、勉強から逃げていると決めつけないことも大切です。
予定を詰め込みすぎて眠りが削れているなら、本人だけに効率を求めず、塾や課題を含めた一日の予定を学校等へ相談できます。夜遅くまで考え続ける子どもへ、今夜すべての結論を出さなくてよいと伝えられます。締め切りがある用事は、気持ちの話とは分けて短く確認します。
親の「失敗させたくない」気持ちは、別の場所でも
自分の受験経験、周囲との比較、将来やお金への不安から、保護者も焦ることがあります。「あなたのため」と言いながら、親自身の安心を求めていることに気づく場合もあります。そのことを親の失敗として責めるより、子ども以外へ話す時間を持てます。
子どもへ「頑張ると言って安心させて」と求め続けず、大人同士や心理相談で不安を扱えます。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身が、期待や焦り、子どもへの伝え方を話す場です。進路を代わりに選ぶサービスや、未成年本人の診断・治療ではありません。
不調が強いときは、受験の後まで待たない
眠れない、食事が取れない、強い落ち込みや怖さが続く場合は、学校の相談室や医療機関へつながれます。「今は受験だから仕方ない」と長く我慢させる必要はありません。自傷や命に関わる言葉がある場合は、安全を確かめて、医療や適切な緊急の支援を優先してください。
受験の結論はまだ出なくても、「今日は何を助けてもらえれば少し過ごしやすいか」は話せます。将来の正解を言ってあげることだけでなく、今の生活を一緒に支えることも、保護者ができる関わりです。
参考・引用文献
厚生労働省「家族で子どもと向きあうポイント」 / 厚生労働省「自分や家族を責めない」 / [1] von der Embse, N., Jester, D., Roy, D., & Post, J.(2018)Test anxiety effects, predictors, and correlates: A 30-year meta-analytic review. Journal of Affective Disorders, 227, 483–493. DOI: 10.1016/j.jad.2017.11.048.
記事のつくり方
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このコラムについて
本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。
