子どもの睡眠リズムが気になるとき

子どもの睡眠リズムを考えるときは、寝る時刻だけでなく、年齢に合う睡眠時間と日中の様子を見ます。眠れなさを意志の問題と決めず、家庭でできる工夫と、医療へ相談することを分けて考えられます。

どのくらい眠ることを目指せばよいのでしょうか

厚生労働省の睡眠ガイドは、子どもの睡眠時間について、次の目安を紹介しています。就学前では昼寝を含みます。成長や生活に合わせて、眠るための時間を確保する参考にできます。

年齢の区分 一日の睡眠時間の目安
1〜2歳 11〜14時間
3〜5歳 10〜13時間
小学生 9〜12時間
中学・高校生 8〜10時間

一晩ごとに数字へ合わせる競争ではありません。床にいる時間と実際に眠っている時間も違います。短い状態が続く、十分寝ているはずでも昼に強く眠いなど、本人が困っていることも合わせて見ます。

眠気は、疲れの量だけで決まるわけではありません

眠りには、起きている間にたまる眠りの必要性と、一日の中で眠りやすい時刻を作る体内時計が関わります。とても疲れていても、体がまだ起きる側へ向いている時間には寝つきにくいことがあります。早く寝床へ入れることと、実際に早く眠れることは同じではありません。

思春期の睡眠を扱うレビューは、生物学的に眠りの時刻が後ろへずれやすい変化と、学校の開始時刻、夜の光、活動や人付き合いが重なる様子を整理しています[1]。子どもの意志だけの問題でも、すべて体内時計のためだから変えられないという話でもありません。

説明用の例です。習い事から遅く帰り、食事と入浴を終えた後だけが自由時間になり、動画が夜遅くまで続きます。端末だけを取り上げる前に、帰宅後の予定を減らす、好きなことを早い時刻へ置くなど、睡眠の時間を現実に確保できるかを考えられます。勤務や住環境など、子どもだけでは変えられない部分もあります。

時間を確保する工夫と、時刻を整える工夫

必要な睡眠を取るためには、寝る機会そのものが足りることと、眠る時刻が生活に合うことの両方を見ます。朝の光、食事や起床の時刻を大きくずらしすぎないこと、寝る前の強い光や刺激を減らすことなどは、厚生労働省の睡眠ガイドでも案内されています。

一度に理想の予定へ変えるのでなく、「夜の動画の区切りを決める」「帰宅後の用事を一つ減らす」など、今の家でできることから考えます。親の声かけを増やすだけでなく、本人にとって何が休みになるかも話せます。日中の強い眠気が続くなら、生活指導だけで抱えず医療へ相談してください。

眠れないまま長く寝床で我慢させたり、眠気を強めるため自己流で睡眠を削ったりする必要はありません。眠りへの怖さや学校でのつらさも別に相談でき、睡眠を「直してから」でないと学校の支援を受けられないわけではありません。

「早寝」の工夫だけで抱えないとき

強いいびき、呼吸が止まるように見える、日中の強い眠気、頭痛やめまい、急な眠りの変化などは、小児科等へ相談してください。朝起きられず学校生活に支障が続く場合も、家庭で原因を決めず医療へ話せます。

受診では、だいたい寝ている時間、昼の様子、飲み物や薬・市販品などを、分かる範囲で伝えます。記録を完成させるのを待つ必要はありません。眠る薬やサプリメントを子どもへ自己判断で使ったり、処方薬を増減したりせず、医師や薬剤師へ相談してください。

保護者の睡眠も、同じ暮らしの中にあります

夜の見守りや朝の声かけで、保護者自身が眠れなくなることもあります。起こす役や夜の家事をほかの人へ頼む、自治体へ生活の支援を尋ねるなど、子どもの眠りだけを直そうとしない助け方もあります。ALVARAでは18歳以上の保護者ご自身の不安や家庭での関わりを相談できます。子どもの睡眠障害の診断・治療は医療機関で受けてください。

参考・引用文献

厚生労働省(2024)「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こどもの項 / 厚生労働省「睡眠対策」 / [1] Crowley, S. J., Wolfson, A. R., Tarokh, L., & Carskadon, M. A.(2018)An update on adolescent sleep: New evidence informing the perfect storm model. Journal of Adolescence, 67, 55–65. DOI: 10.1016/j.adolescence.2018.06.001.

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。