再婚したからといって、子どもとの親しさや親としての役割が同時に決まるわけではありません。仲良くしようとする努力だけへ集めず、今の距離、生活で担う用事、誰が何を決めるかを分けて相談できます。子どもにも大人にも、関係を急いで完成させる義務はありません。
同じ家でも、家族としての出発点は違う
大人にとっては望んだ結婚でも、子どもには、親と二人で過ごす時間や自分の部屋、前の暮らしの習慣が変わる出来事かもしれません。楽しみなことと寂しいことが同時にあっても不自然ではありません。表情が明るくないことを、新しい相手を嫌っていると一つに決めなくてよいのです。
AACAPは、ステップファミリーでは共有してきた歴史や習慣が異なり、以前の家族とのつながりも含めた調整が必要になると説明しています。[1] 家族の形そのものを問題とするのでなく、それぞれがどんな変化を経験したかを理解する視点です。
説明用の例です。再婚相手が毎晩みんなで食卓を囲みたい一方、子どもは週に一度、これまで一緒に暮らしてきた親と二人で過ごしたいと希望しています。これを「新しい家族を認めない」と受け取ると、どちらかの関係を選ぶ話になりかねません。二人の時間を残しながら、全員で過ごす時間をどう作るかとして相談できます。
親しさと、生活の役割を一緒にしない
送り迎えや食事の準備を多く担っているのに、宿題や門限を注意すると反発される。すると、「世話をしているのに親と思われていない」と傷つくことがあります。実際に担っている用事への負担と、関係への寂しさは、両方大事ですが同じ課題ではありません。
APAの家族向け資料は、最初から指導する役を強めるより関係を作り、生活のルールや養育上の役割を大人同士で考えることを紹介しています。[2] ただし、特定の年齢や年数で役割が決まるわけではありません。誰がどの場面で声をかけ、困ったときどう相談するかを、今の関係に合わせて具体的にします。
例えば、「忘れ物の確認は私が手伝う。学校生活の大きな相談は、まずこれまで養育してきた親が子どもと話す」と決める形もありえます。これは家族共通の正解ではなく、話す単位の例です。安全のために止める必要がある行動まで、誰も関われないという意味ではありません。法律上の親の立場や手続きは別に専門窓口へ確認します。
呼び方や身体的な近さは、愛情の試験にしない
「お父さん、お母さんと呼んでほしい」「家族なら抱きしめてもよいはず」と大人が期待しても、子どもには違う感覚があるかもしれません。呼び方や触れ合いを、受け入れた証明として求め続けないことを考えます。大人が望む親しさと、子どもが今選べる近さを分けておけます。
先ほどの例で、子どもが名字や名前で呼ぶことを望むなら、まずその呼び方で生活を続けながら、困ることがあるかを話せます。思いやりは、特定の言葉だけで示されるわけではありません。「返事をする」「使う物の場所を知らせる」など、互いに暮らすために必要な連絡は、呼称とは別に相談できます。
身体的な接触を嫌がるときは、その希望を尊重します。性別や子どもの年齢だけで、どの接触なら必ず安心かを決めることはできません。閉じた場所で一緒になること、着替えや入浴等のプライバシーも、一人ずつ確かめられる生活の条件です。
以前の家族への思いを、今の家族への拒否にしない
子どもが離れて暮らす親の話をすると、大人が比較されているように感じることがあります。亡くなった親を思い出す場合もあるでしょう。子どもの関心がどこへ向いているかだけで、今の関係の価値は決まりません。新しい関係を大切にするために、以前の関係を忘れさせる必要はありません。[1]
大人自身にも、寂しさ、嫉妬、排除されたような気持ちがあるかもしれません。その感情を持つことと、子どもに慰めや忠誠を求めることは別です。「その話を聞くと、自分の居場所がないようでつらい」と、大人の相談相手へ話すことができます。
親子交流や前の家庭との連絡は、安全と個別の法的条件も関わります。「家族なら会うべき」「再婚したら連絡を断つべき」と一律にせず、必要な専門家と確認します。暴力や威圧がある場合は、家族全員で話し合うことを先にしないでください。
大人同士で役割を決めた後も、子どもがその決まりをどう受け取ったかは別に聞けます。「大人でこう考えました。あなたが困る点はありますか」と説明し、返事の内容によって見直す余地を残します。新しい大人への賛成を求める質問と、暮らしで必要な希望を聞く質問を分けられます。
相談では、関係の名前より行き詰まる一場面から
「夕食の注意をした後、会話がなくなります」「家事の役割は増えたのに、何を決めてよいか分からない」のように、具体的に話せます。相談では、誰の愛情が足りないかを判定するより、期待、担う用事、子どもの希望がどこでずれているかを整理できます。
子どもの強い苦痛や、睡眠・学校等への影響が続く場合は、子どもの相談機関や小児科等へ、実際の困り方を伝えます。[1] 再婚をしたから必ず不調になるという予測でも、関係がうまくいかないとすべて子どもの問題だとする説明でもありません。安全に過ごせるかは、家族関係の進展とは別に確認します。
ALVARAでは18歳以上の養育する方ご自身が、役割の迷いや感情を相談できます。家族全員の治療や、子どもの専門評価を提供するとの意味ではありません。自分だけ相談してよいか、家族へ何を伝えるかも、申し込み先の対応範囲と情報の扱いを確認できます。
一度の話し合いで「本当の家族」になる結論を目指すより、今週どんな時間と距離なら過ごせるかを考えられます。関係を大切にする希望と、急いで近づかない選択は両立します。
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参考・引用文献
記事のつくり方
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このコラムについて
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