きょうだい関係に悩むとき

きょうだいへの公平さは、毎回まったく同じ対応をすることだけではありません。年齢や困っていることが違えば、必要な手助けも違います。

同じ扱いより、違いの理由が分かることも大切です

きょうだいは、同じ家庭にいても、年齢、体調、必要な助けが違います。きょうだい関係の研究レビューも、子ども同士の関係だけでなく、親のそれぞれへの対応や家族全体の関わりを扱っています[1]。出生順位だけで性格が決まるという話ではありません。

説明用の場面です。下の子が上の子の作品を壊し、泣いた下の子だけを大人があやし、上の子へ「お兄ちゃんだから」と言います。年齢に応じた対応の違いでも、上の子からは「大切な物を守ってもらえない」という不公平さに見えるかもしれません。大人が与えた時間の量だけでなく、本人がどう意味づけるかも違います。

危険を止めた後、「壊れて嫌だったね」と聞き、下の子にも触る前に頼むことを伝えられます。怒りへの理解と、たたくことを止める線は両立します。一人に助けが多く要るなら、その理由と、もう一人の話を聞ける時間を、分かる範囲で説明します。事情を理解したら寂しさもなくなる、と考えなくてよいのです。

けんかの最中と、その後の話を分ける

手が出ている、物を投げているときは、その場でどちらが先かを調べるより、離れて過ごせるようにします。大人が危険を感じるなら、一人で取り押さえようとせず、助けを呼んでください。けががある場合は医療への対応が必要です。

落ち着いた後は、一緒に向き合わせるより、別々に話す方が言いやすいこともあります。無理に謝罪や握手で終わらせず、「次は作品を置く場所を分ける」「借りるときは大人と聞く」など、同じことが起きにくい工夫を考えられます。仲良く遊べることだけを、解決の目印にしなくてかまいません。

「手がかからない子」に、役割を固定しないために

一人の通院や発達支援へ時間がかかると、もう一人が気を遣って希望を言わなくなる場合があります。「しっかりした子」と受け取るだけでなく、我慢していることや自分の予定も聞けます。家族を助けることがあるとしても、継続的な見守りや感情の世話まで当然の役にしないようにします。

「いま付き添う必要がある。あなたの話も食事の後に聞きたい」と、何を待ってもらうかを具体的に伝えます。短くても守れそうな時間を選び、実現できなければ話し直せます。毎日同じ分数を確保するノルマではなく、助けの多い子にも少ない子にも、希望を言える入口を残すためです。

きょうだい同士がいつも仲良くすることも、家族のつらさを理解して支えることも、子どもの義務ではありません。年齢が近い場合と大きく離れる場合で、関係の持ち方も変わります。親子それぞれの負担を、園・学校や地域の相談先へ話せます。

保護者も、一人で仲裁し続けなくてよい

帰宅後に必ずぶつかるなら、空腹や疲れのある時間に同じ場所へ集まりすぎていないか、物の置き場や休める場所を変えられないかを考えられます。けんかを防ぐために、親が一日中見張る暮らしにする必要はありません。

同じ子がいつも怖がっている、けがや強い支配がある、安心して眠れないといった場合は、「きょうだいげんか」で済ませず、園・学校やこども家庭センター、医療等へ相談してください。差し迫った危害がある場合は、緊急の支援を優先します。

相談の最初は「二人とも同じように大切にしたいのに、毎日怒ってしまいます」と言うだけでも始められます。ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の負担や関わり方の相談に対応します。子ども本人の診断や治療は行いません。子ども同士の関係だけでなく、家族全体にどのくらい休む時間があるかも、一緒に考えられます。

参考・引用文献

厚生労働省「家族で子どもと向きあうポイント」 / こども家庭庁「こども家庭センター」 / こども家庭庁「児童虐待防止対策」 / [1] McHale, S. M., Updegraff, K. A., & Whiteman, S. D.(2012)Sibling Relationships and Influences in Childhood and Adolescence. Journal of Marriage and Family, 74(5), 913–930. DOI: 10.1111/j.1741-3737.2012.01011.x.

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。