相談の時間を作れないほど忙しいことも、支援先へ伝えてよい困りごとです。制度名や家計の情報を全部そろえてからでなく、いちばん回らない時間や用事から話せます。暮らしを動かす支援と、自分の気持ちへの支えを別々に使うこともできます。
「一人で回せている」の裏側にある用事を見る
学校への返信、勤務の調整、家計、食事の用意などを、何とか続けているかもしれません。しかし、用事ができていることと、休めていることは同じではありません。誰かが体調を崩すと全部止まる、夜になっても翌日の判断が終わらないことも、相談できる負担です。
こども家庭庁は、ひとり親家庭への支援を、子育て・生活、就業、養育費確保等、経済面という複数の領域で案内しています。[1] 気持ちを強くすることだけへ解決を集めず、暮らしの条件ごとに助けを考えるための入口になります。
説明用の例です。仕事を休むと収入が減るため、自分の受診も学校の面談も延期している人がいます。「予定を立てるのが苦手」なのではなく、代わる人と収入の余地がないことが中心かもしれません。本人の時間管理の問題と決める前に、何を代わってもらうと動けるかを見ます。
最初は、いちばん難しい一場面だけでも
自治体のひとり親家庭の担当等へ、「平日の夕方、迎えと仕事が重なります」「自分が病気になったとき子どもを見られる人がいません」と伝えられます。支援の名前を知らないことは、話せない理由にはなりません。連絡できる時刻や、長く電話できない事情も最初に添えられます。
相談の入口が違っていた場合は、「次にどこへ何を伝えればよいですか」と聞けます。一つの窓口ですべて扱えるとは限りませんが、最初から必要な担当を自分で選び切らなくてもよいのです。次の連絡先と、紹介するときに渡せる情報を確かめると、同じ説明を一から重ねる負担を考えられます。
家計の資料等が必要と言われたら、何が必須で、後からでよい物は何かを聞けます。説明が長く覚えにくければ、一度に一つの申請へ絞る、文字で案内を受け取れるか尋ねるなど、手続きの進め方も相談の内容にできます。
生活援助と、お金・仕事の相談は役割が違う
ひとり親家庭向けの公式ポータルは、状況に応じた生活援助や保育等を行う日常生活支援事業、就業相談等を案内しています。[2] ただし自治体によって実施事業が違い、対象・費用・利用までの時間も確認が必要です。希望すれば直ちに派遣や給付を受けられるとは限りません。
先ほどの例なら、受診中の世話を頼むことと、仕事を休んだときの家計への相談は別になります。「どちらか一つだけ使う」のでなく、今どの用事が止まっているかに合わせて組み合わせを尋ねられます。養育費等の問題は、制度や法律を扱う専門窓口へ、個別の状況を確認します。
また、今は離婚していない、別居中、家族から助けがあるように見えるなどの事情があっても、どの支援につながれるかは窓口へ相談できます。自分で対象外と判断して諦める前に、現在の生活で実際に足りない助けを伝えてみます。個別の認定は担当窓口が確認するもので、心理相談が代わって決めるものではありません。
子どもを、いつも代わりの大人にしなくてよい
子どもがよく気づき、家事やきょうだいの世話をしてくれると、ありがたさと申し訳なさが混ざることがあります。家の用事に参加することをすべて悪いと考える必要はありません。一方、頼める相手が子どもだけになっているなら、その事情も大人の支援先へ知らせられます。
例えば、「子どもが帰宅しないと外出できません」なら、親自身の受診や仕事だけでなく、子どもの学校や友人との時間も関わります。子どもへ感謝を伝えることと、負担を減らすための手配を大人が進めることは別です。本人が大丈夫と言っていても、担っている用事を具体的に確認できます。
親も、子どもを心配させたくなくて気持ちを隠し続ける必要はありません。ただ、生活の不安を解決してもらう役を子どもへ渡さず、大人の相談相手を持つことを考えます。「子どもの前では話しにくいので、一人で話せる方法はありますか」と窓口へ尋ねられます。
必要な支援を断られたときも、生活の困難が無かったことにはなりません。「今回はどの条件で利用できませんか」「別の事業や相談先はありますか」「事情が変わったら再度相談できますか」と、次に確認する点を聞けます。制度に該当するかと、本人が困っているかを分けておくと、断られたことを自分の頼み方や親としての価値だけへ戻さずに済みます。
相談するための時間や連絡も、支援の課題にする
「もっと困っている人がいる」「助けを使うと親として見られ方が変わる」とためらうことがあります。その気持ちと、現実の利用条件は同じではありません。まず利用できる内容を聞き、その後で使うかを考える始め方もあります。
「手続きの説明は分かりました。でも、平日に出向く時間を作れません」と伝えることは、協力する気がないという意思表示ではありません。来所が必要な用事、電話やオンライン等で確かめられる部分、必要な準備を分けて聞きます。どの方法が可能かは各窓口へ確認が必要です。
心理相談では、孤独、怒り、周囲と比べるつらさ、頼むことへの怖さを話せます。用事を減らす支援だけでは気持ちが残ることも、話を聞いてもらっても家計の課題が残ることもあります。どちらが本当の悩みかを決めず、必要な支えを分けて持てます。
ALVARAは18歳以上の保護者ご自身の気持ちや関わり方を相談する場です。給付や派遣の認定、生活費の支給、子どもの預かりを行うサービスではありません。今の暮らしを全部整えてから使うのでなく、次にどの用事を誰へ頼みたいかを考える時間にできます。
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参考・引用文献
記事のつくり方
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このコラムについて
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