休職中の会社との連絡がつらいとき|頻度・内容・窓口を相談する

休職中の連絡がつらいときは、連絡を全部なくすか、毎回すぐ返信するかの二択にしなくてかまいません。何のための連絡かを分け、体調に合う受け取り方を職場と相談できます。

同じ「会社からの連絡」でも、用件は違う

厚生労働省「こころの耳」は、休業中のお見舞いへの返信が負担なら、その旨を伝えて連絡を控える選択を案内しています。一方、休業できる期間、保障、復帰の手続きは職場によって異なるとも説明しています。[1] お礼の返信と、期限のある書類を同じ重さで抱えないことが出発点になります。

説明用の例です。療養中、上司から週に何度か「調子はどうですか」と届き、月末には人事から、医療機関の診断書の提出案内も来ます。上司には明るく返さなければと思い、返信後に寝込んでしまう。ここでは「連絡に耐えられない自分」を直す前に、見舞い、制度上の提出、復帰の検討が混ざっていないかを確かめられます。

上司の気遣いがありがたいことと、今の頻度では休めないことは両立します。悪意があると証明しなければ負担を伝えられないわけではありません。反対に、業務の判断や作業を繰り返し頼まれているなら、それを見舞いと同じものとして扱わず、人事・労務へ確認する話になります。

頻度・方法・窓口を、一つずつ具体的にする

先ほどの例なら、「当面は人事を窓口にして、必要な提出物をメールで知らせてもらえるか」を尋ねる方法があります。電話で即答することが難しければ、文面で受け取り、返答の目安を相談することも考えられます。これは誰にでも同じ形が認められるという説明ではなく、自分の職場のルールと、療養に必要なことをすり合わせるための提案です。

  • 次に連絡が必要なのは、いつ、何についてか。
  • 定期報告と、緊急・期限のある用件はどこへ来るのか。
  • 返答できないときに、誰へどう知らせればよいか。

三つを一度に質問する必要はありません。「診断書の提出先と期限だけ、人事に確認したい」でも十分です。連絡を受けるたび予定を読み取ろうとする負担を、決まった用件へ近づけます。期限を把握しにくいときは、本人の了解のもとで家族等に書類の整理を手伝ってもらう道もありますが、会社との正式なやり取りを代行できるかは別途確認します。

説明用の連絡例:「現在、連絡を読んだ後に体調が大きく崩れるため、当面の連絡方法を相談したいです。必要な提出物と期限は受け取りたいので、窓口と返答の目安を確認できますか。」

「返信できた」と「働ける」は、同じ判断ではない

短い返信を送れた日や、外出できた日があると、「もう戻れると思われたのでは」と心配になることがあります。休業中の一場面と、一定時間働き続ける負担は分けて考えます。職場復帰については主治医だけでなく、産業医や人事等が職務の内容を踏まえて関わる仕組みが案内されています。[1]

連絡後に眠れない、何時間も文面を読み返す、翌日まで動けないなどの変化は、受診時に具体的に伝えられます。医師には「会社が嫌です」だけでなく、連絡の種類、体調への影響、必要な手続きがあることを話すと、療養中の負担について相談しやすくなります。自分だけで復帰日を約束して不安を消そうとしなくてかまいません。

一方、連絡への怖さが強いからと、必要な提出を一人で放置することを勧めるものでもありません。受診と、職場の窓口への相談を並行し、できない部分をどう扱うかを確かめます。体調が不安定な時期には、復帰の結論より、次の期限までの助けを優先できます。

健康情報は、何のために誰へ伝わるかを聞ける

診断書を提出することと、面談で話した私生活の詳細を上司全員が知ることは同じではありません。厚生労働省の指針は、健康情報を扱う目的、担当者と権限、情報の範囲、本人同意の取り方などを職場の取扱規程で明確にする考え方を示しています。[2]

「提出先は誰ですか」「上司には、勤務上必要なことがどの形で伝わりますか」と確認できます。会社に何も伝えないことを絶対に保証する説明でも、病状を誰にでも話さなければならないという説明でもありません。産業保健と人事では役割も異なるため、窓口の名前だけで判断せず、扱いを聞いてから話す範囲を決められます。

怖さと手続きには、別々の相談先を使う

提出・期間・復帰手順は人事労務、健康上の負担は主治医や産業医・保健師等へ相談します。脅しや不利益な扱いが心配で社内へ相談しにくい場合は、総合労働相談コーナーが労働問題の相談や制度案内を行っています。[3] 心理職が就業規則の適用や会社の対応の適法性を決定するわけではありません。

心理相談では、「返事が遅れると見捨てられそう」「休んでいるのに要望を言えない」といった気持ちを扱えます。相手に送る前に、自分の望む連絡の形を言葉にするところからでも始められます。ALVARAの個人相談は18歳以上が対象で、診断・処方や勤務条件の決定は行いません。手続きの助けと気持ちの支えを、どちらも使ってよいのです。

関連する心理コラム

参考・引用文献

  1. 厚生労働省「こころの耳」職場復帰のガイダンス・2 職場との連絡、相談等
  2. 厚生労働省(2022年改正)労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針
  3. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

WRITTEN BY

このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

プロフィールを見る

公開日
最終更新日

記事のつくり方

記事ごとの関連資料は本文末尾に掲載しています。情報源の選定、更新、訂正、心理療法・心理検査の掲載範囲については、記事のつくり方を確認できます。

心理コラムの記事のつくり方を見る

このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。