就職活動で不採用が続き、自分の価値まで疑ってしまうとき

不採用は、その選考で採用に至らなかったという結果です。理由が十分に分からないまま、「どこでも必要とされない」という自分全体への判定まで、一人で引き受けなくてかまいません。

結果が続くほど、応募以外の時間まで苦しくなる

説明用に、応募した会社から続けて不採用の通知が届く場面を考えます。一通目は書類を直そうと思えたのに、次の通知では応募画面を開けなくなる。友人の就職の話も避け、まだ何も起きていない面接まで失敗したように感じる。応募の技術だけでなく、暮らしの中で傷つく場面が増えているのかもしれません。

選考には、求める経験、勤務できる条件、募集枠、ほかの応募者との比較などが関わります。通知に具体的な理由がなければ、何が決め手だったかは分かりません。「理由が分からない」と「自分の欠点しか理由がない」は、別の状態です。ここを分けるのは、無条件に自信を持つためではなく、確かめられない推測で自分を追い込まないためです。

同時に、つらかったことまで軽く扱う必要はありません。収入、所属、周囲からの期待がかかっていれば、単なる一通の通知では済まないでしょう。「選考結果は人格の判定ではない」と頭で分かっても傷つく。その両方を話してよいのです。

応募の改善と、自分を責める反省を分ける

役に立つ振り返りには、次に変えられる点があります。「求人票が求める経験を、書類のどこに書いたか」「質問に答える前置きが長くなったか」といった、確認できる内容です。一方、「なぜ自分はこんな人間なのか」を繰り返しても、応募先の評価は確かめられず、次の準備に使う力だけが削られることがあります。

先ほどの例なら、応募書類を一人で全面的に作り替える前に、一件だけ職業相談へ持っていく選択があります。ハローワークは、希望条件の整理、求人探し、応募書類や面接の準備を支援しています。[1] 採用を約束する場所ではありませんが、本人の反省だけで「何が足りないか」を決め続けずに済む相談先です。

助言を受けるときも、全部を一度に直す必要はありません。「今回、応募条件の読み取りと書類の見せ方のどちらから見ればよいですか」と、見る範囲を選べます。助言に納得できない、体調に合わないときは、その理由も伝えられます。応募数を増やすことだけが支援の目標ではありません。

選考の結果が出ない日にも、生活は続く

就職活動は、自分の努力と結果が同じ速さで返ってこない活動です。通知を待つ間まで一日中求人を見続けると、休む時間も結果待ちの時間になります。生活に余地があるなら、確認する時間を区切る、食事の予定を先に一つ置くなど、「応募していない時間」に別の役割を戻すことを考えられます。

ただし、生活費が迫っている人に「ゆっくり休もう」とだけ伝えても、助けになりません。家賃や支払いの不安は、求職の方針と分けて地域の自立相談支援機関へ相談できます。厚生労働省は、仕事や住まい、家計の困りごとに応じて支援を考える制度を案内しています。[2] 給付や貸付にはそれぞれ要件があり、相談した人全員が同じ制度を使えるわけではありません。

働きたい気持ちと、今すぐ同じ量の活動を続けられるかも分けられます。眠れず面接に行けないなら、気合いの問題として応募だけを増やす前に、医療や心理相談を使うことも選択です。すでに雇用保険等の手続きをしている場合は、活動や体調の変化を担当窓口へ伝え、扱いを個別に確かめます。

周囲へは、報告する範囲を自分で選ぶ

「何社受けたの」「次は大丈夫」と言われるたび苦しくなる場合、近況を全部報告する義務はありません。説明用の言い方なら、「結果が出るたび説明するのが今はつらいので、相談したいときにこちらから話したいです」と伝える方法があります。励ましを拒むのではなく、今受け取りやすい支え方を知らせる言葉です。

一方、家計を共にする相手との話では、選考の詳細より、今月の生活費や手続きを先に相談したいこともあります。「内定がないこと」と「今日必要な支払い」を一つの告白にまとめず、具体的な用事を分けてよいのです。信頼できる家族や友人には、解決策ではなく、食事や外出の付き添いを頼む道もあります。

相談は、「採用される自分」へ整えるためだけではない

心理相談では、不採用の意味が自分の中でどこまで広がっているかを考えます。「仕事に就けない今は人に会う資格がない」と感じるのか、「家族を失望させるのが怖い」のかで、つらさの焦点は違います。前向きな考えへ無理に変えるより、いま事実として分かること、失ったと感じるもの、守りたい生活を分けて話せます。

厚生労働省のセルフケア資料は、ストレスの原因と心身・行動の変化を分けて捉える考え方を示しています。[3] 食事や眠りが大きく崩れる、活動以外にも気力が出ない状態が続くときは、医療機関にも相談してください。自分を傷つけそうな切迫した状態なら、通常の面談を待たず、身近な人の支えと緊急の医療につながることが先です。

説明用の相談の一言:「不採用になること以上に、その後ずっと自分を否定して、次の応募も生活も止まってしまうことに困っています。応募の相談と気持ちの支えを、分けて考えたいです。」

ALVARAの個人相談は18歳以上が対象です。選考や採用の決定、職業紹介を行う場所ではありませんが、結果が続く中での傷つきや自己評価、助けを使うことへの迷いを心理相談で扱えます。

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参考・引用文献

  1. 厚生労働省「ハローワークの相談支援」
  2. 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」
  3. 厚生労働省「こころの耳」15分でわかるセルフケア

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。