夜勤や交代勤務で、眠りと気分の負担が続くとき

夜勤や交代勤務で眠りや気分の負担が続くとき、普通の「早寝早起き」ができない自分を責めなくてかまいません。勤務の条件と、実際に休めている時間、体調を一緒に見て相談できます。強い眠気で仕事や通勤の安全を保てないときは、工夫で乗り切る前に安全の確保を優先します。

就寝時刻だけを整えても、解決しない条件がある

夜間に働いて朝帰宅する、数日ごとに勤務の時間帯が変わる。その暮らしでは、日中に働く人向けの助言を同じ形で実行できない場合があります。厚生労働省の睡眠ガイドも、交替制勤務には体内時計や休養への負担があり、一般的な対策が参考にならない場合があると説明しています。[1]

固定の夜勤と、時間帯が変わる交代勤務でも、予定は同じではありません。さらに、通勤時間、連続した勤務、休憩、介護や子育てで、睡眠を取れる条件が違います。「夜勤をしている」という情報だけで、全員へ同じ就寝時刻を勧めることはできません。

説明用の例です。夜勤明けに帰宅した人が、家族に頼まれた用事を済ませ、昼過ぎから眠ろうとします。しかし夕方には迎えがあり、短い睡眠で翌日の予定に戻ります。この場合、眠り方だけでなく、睡眠に使うはずの時間が生活の用事に使われていることも話題になります。

眠気は、我慢の程度より安全への影響で伝える

勤務中に気づかないうちに眠り込む、運転で車線を保つのが難しい、作業の手順を飛ばすといったことがあれば、無理に続けないでください。運転中なら安全に停止できる場所を確保し、職場の安全上の手順や適切な援助につながります。眠気を隠して、自己流の刺激や飲み物だけで安全が確保できるとは言えません。

睡眠ガイドは、交替制勤務と勤務中・通勤中の事故等との関連を紹介しています。[1] これは個人の事故を予測する数字ではありませんが、「眠いのは誰でも同じ」と我慢だけを求めず、職場で扱う必要がある問題だと考える根拠になります。

医療では、「眠い」だけでなく、いつ、どんな場面で、何が危なかったかを伝えます。現在の作業や通勤方法について、主治医、産業医・産業保健等に相談します。急な意識の異常やほかの強い身体の変化を、勤務による眠気と自分で決めつけず、緊急の医療へつながる判断が必要な場合もあります。

次の診察が先でも、今夜の勤務や帰路で安全が心配なら、その予定と現在の状態を先に正式な窓口へ伝えます。「受診予定があるから、それまでは同じ作業を続けるしかない」と一人で判断しなくてかまいません。担当者へ、何が急ぎの確認かを知らせられます。

勤務表と眠りを並べると、相談の入口になる

正確な睡眠計測を準備しなくても、勤務の開始・終了、通勤、床に入る頃、目覚める頃、眠気が強い場面を分かる範囲で話せます。休日も休んだ感じがしない、家族の予定で途中に起きる、勤務前から眠れない等の違いを伝えます。

相談のために、職場の機密情報や他の職員の勤務表まで持ち出す必要はありません。自分の勤務と休息について、職場の情報管理の規則に沿って伝えます。

先ほどの例なら、「朝帰っても、用事があるので実際には昼まで寝られません」と説明できます。家にいる時間が全て休息ではないことが見えます。睡眠のために横になれる時間と、実際に眠れるかどうかも、分けて相談する情報です。

不眠、休養感の低下、業務中の眠気等が続き、生活に支障がある場合、公式ガイドは医療機関の受診を勧めています。[1] 大きないびきや睡眠中の呼吸について周囲から指摘された、薬を使い始めてから変わった等の事情も、診察で伝えられます。原因を先に一つに絞らなくてかまいません。

光や仮眠、薬は、勤務の条件に合わせて確かめる

仮眠や明るさの調整には研究がありますが、勤務の頻度や翌日の予定によって意味が変わります。公式ガイドも、光による調整を一律に行うと、その後の生活に悪い影響が出る場合へ注意を示しています。[1] 「夜勤なら必ずこの時刻に光を浴びる」といった方法を、この記事では処方しません。

睡眠薬、市販の眠気への対策、サプリメント等を自分で組み合わせたり、処方薬を勤務に合わせて変更したりせず、医師・薬剤師へ相談します。飲酒を眠る手段として増やしている場合も、その事実を含めて伝えてください。寝つけるかだけで、休養の質や安全を判断しないためです。

職場では、休憩を取れるか、実際に休める場所があるか、勤務の組合せや業務で何を調整できるかを、管理者、人事、産業保健等の正式な窓口と相談します。職場環境と働く条件のリスクへの対応は、本人の対処法だけと分けて考える必要があります。[2]

家族との時間と、眠る時間を別の予定として扱う

昼間に家にいるため、家事や手続きを期待される場合があります。「家にいるから休める」ではなく、「この時間は眠る必要がある」と、具体的な時間の使い方を相談できます。家族も忙しい場合、どの用事を外部に頼むか、何を減らすかを含めて考えます。

眠りの不足や生活のずれで、孤独、いらだち、気分の落ち込みが強くなっていることも話せます。心理相談では、周囲への伝え方や仕事を変えにくい事情も扱えますが、睡眠障害の診断や就業上の判断は行いません。今すぐ勤務を変えると決められなくても、相談はできます。

説明用の相談例:「勤務が変わるたびに眠りが崩れ、特にこの時間の眠気が仕事・通勤に響きます。勤務表と家庭の予定を見ながら、医療での確認と職場で調整できる条件を相談したいです。」

休息を守ることを、仕事への熱意が低い証拠にしなくてかまいません。眠りの工夫、医療、勤務条件、家庭の役割をそれぞれ見直し、一人の我慢へ負担を集めない相談を考えられます。

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参考・引用文献

  1. 厚生労働省.健康づくりのための睡眠ガイド2023(2024年2月).参考情報6「就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について」.
  2. World Health Organization. Mental health at work. 2026年9月15日.

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。