仕事の人間関係をカウンセリングで相談するとき

職場の人間関係は、相手と仲良くなるだけでは解決しないことがあります。カウンセリングでは、誰が悪いかを決める前に、どのやり取りがつらいのかを話せます。

その場では笑えても、あとからつらくなることがある

相手の前では何でもない顔をして、帰宅してから言われたことを何度も思い出す。そんなとき、自分でも「平気だったはずなのに」と戸惑うかもしれません。その場をやり過ごすことと、傷つかなかったことは同じではありません。

例えば、会議の直前に同僚から作業を頼まれ、断れずに自分の仕事が遅れる場面を考えます。一度なら手伝いたくても、何度も続けば、腹立たしさと「引き受けた自分が悪い」という気持ちが重なることがあります。相手を嫌いになるか我慢するかだけでなく、返事の仕方に小さな余地を作れないか考えてみます。

その場で断らなければ、気まずさや相手の反応への不安は一時的に減るかもしれません。その助けがあるために、後で負担になると分かっていても同じ返事をしやすくなることがあります。同時に、自分の締め切りと同僚の依頼がぶつかっているなら、仕事の優先順位を誰が決めるかも問題です。二人の好意だけで調整し続けず、上司へ順番や担当を確認する道があります。

ただし、断ると実際に不利益や威圧がある場合には、内側の不安だけの話ではありません。言い方を練習する支援と、職場の力関係や仕事の受け方を変える支援は、働きかける先が違います。安全に返事を保留できる場面かも含めて考えます。

すぐに答えない一言を、先に用意しておく

頼まれると反射的に「大丈夫です」と言ってしまうなら、「予定を確認してから返事します」と一度持ち帰る方法があります。断るのが難しければ、「全部は難しいですが、この部分ならできます」「今日は自分の締め切りがあるので、明日の午後なら見られます」と、できる範囲を伝える言い方もあります。

大切なのは、言い方を完璧にして相手を納得させることではありません。自分が引き受けられる量を、返事の中に少し入れることです。ただし、断ると脅される、人格を否定される、報復が心配という関係では、直接言い返す練習だけで対応しないでください。別の上司や人事、社外の労働相談を頼る必要があります。

職場以外でも、我慢を重ねて急に離れる流れが続くなら、人間関係で同じ悩みを繰り返すと感じるときの記事では、相手や場面によって何が違うかを考えます。

何度も思い返す夜は、次に必要なことだけ残す

頭の中で会話を再生しても、相手の本当の気持ちを確かめることはできません。「嫌われたに違いない」と考え続けるときは、分かっていることと、まだ分からないことを一度離してみます。「強い言い方をされた」は起きたこと、「もう信用されていない」は今の心配かもしれません。

もし翌日に確かめる必要があるなら、「先ほどの件で、私が直すところはここで合っていますか」と、仕事に必要な確認へ戻す方法があります。確かめる必要がない夜なら、続きは明日にして、食事や入浴など目の前の生活へ移ってかまいません。考えるのを止められなくても、そのことまで責める必要はありません。

振り返りにも、仕事に役立つ検討と、答えの出ない反省の繰り返しがあります。前者なら次に確かめることが具体的になります。後者では、同じ会話を再生しても相手の気持ちは分からず、休息だけが削られる場合があります。「もう考えない」と押さえつけるより、次の行動が決まる話なのか、いまは判断できない心配なのかを心理職と確かめられます。

相談では、言えなかった言葉も話せる

心理相談では「本当は断りたかった」「相手を悪く思う自分が嫌だ」という気持ちも扱えます。何を言えばいいか一緒に考えたり、実際に短い言葉で練習したりすることもできます。一方で、心理職が相手の性格を診断したり、会社に働き方の変更を命じたりはできません。

相談しても状況が変わらないときは、上司や人事労務窓口へ、関わる時間、連絡の方法、同席者など、仕事の進め方を相談する道もあります。眠れなさや出勤の難しさが続くなら、医療機関や産業医・保健師などにも相談してください。関係をうまく保つことより、自分の生活を守ることを先にしてよい時期があります。

仕事の人間関係をALVARAで相談するには

ALVARAでは、18歳以上の方が職場でのやり取りや、自分がどう関わりたいかを相談できます。担当する公認心理師・臨床心理士の齋藤 光の資格・相談スタイルを予約前に確認できます。

初回はオンライン50分(ビデオ・音声)かメール相談(3,000字以内・一往復)のどちらかを、お一人1回無料で利用できます。初回の予約だけで月額契約は始まりません。継続プランの金額と適用期間は料金ページで、予約・利用の手順はご利用方法で確認できます。

参考資料・引用文献:厚生労働省「こころの耳・15分でわかるセルフケア」 / 厚生労働省「あかるい職場応援団・悩んでいる方」 / 国立精神・神経医療研究センター:認知行動療法マップ・セルフヘルプ

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。