育休から戻る怖さは、仕事への自信だけでなく、家庭の予定と職場の条件がまだ見えないことからも生じます。復帰前にすべてを一人で練習し終えるより、職場で確かめること、家族や保育先と決めることを分けて相談できます。
以前の自分へ戻ることだけを、目標にしなくてよい
「同じ仕事なのだからすぐできるはず」と思っても、休業中に道具や担当、業務の流れが変わっていることがあります。同時に、家で使える時間や睡眠も以前と同じとは限りません。復帰は、昔の力があるかを試す日というより、今の条件で仕事を続ける方法を作る時期として考えられます。
説明用の例です。夕方の会議が以前と同じ時間に入ると、迎えに間に合わない人がいます。この場合、会議への苦手意識を減らすだけでは予定は重なったままです。会議の時刻、参加が必要な部分、連絡を受け取る方法を職場へ確認する課題として扱えます。
厚生労働省の育休復帰支援の案内は、職場側が本人の状況や希望を踏まえて支援する計画を位置づけています。[1] 家庭と仕事をつなぐ調整は、復帰する本人だけが完成させる準備ではありません。
面談では、最初の一週間が見える質問を
「復帰後は頑張ります」とだけ話すと、お互いが違う働き方を想定したままになることがあります。担当する業務、最初に教わる変更点、相談する相手、勤務時間内に終わらないときの優先順位など、実際の一日に近いところを聞けます。短時間勤務等を使う場合も、時間と業務量の両方を確認します。
同省の両立支援ガイドは、休業前・休業中・復帰後の面談や、勤務時間、勤務地、業務量等の条件を含めた希望の確認を紹介しています。[2] すべての職場が同じ様式で面談を行うという意味ではありませんが、「戻ってから相談すればよい」だけでなく、戻る前の確認を頼む手がかりになります。
例えば、「休業中に変わった作業を、どの時間に誰から教わりますか」「初月に優先する仕事を確認したいです」と言えます。最新の制度や申出の条件、必要書類は人事等の正式な窓口へ確かめてください。周囲の人が利用できた制度を、自分も同じ条件で使えるとは限りません。
子どもの予定だけでなく、対応する大人の予定を決める
保育先が決まることと、送迎や発熱時の対応が続けられることは別です。朝の支度、連絡帳、持ち物、呼出しの電話、その後の受診まで、一つの用事には前後があります。家族に送迎を頼めても、準備と判断が全部自分へ残るなら、その時間も負担として話せます。
先ほどの例で、夕方の会議が動かせない日があるなら、「その日の迎えだけ」か「持ち物の確認から帰宅後の食事まで」かで、頼む範囲は変わります。頼まれた側が必要な連絡や準備を自分で確認できるよう、情報を渡す時間も予定に入れられます。
急な欠席のたびに、その場で誰が休むかを交渉すると疲れます。最初に連絡を受ける人、難しいときの次の連絡先、職場へ知らせる目安を話せる範囲で決めます。家族だけでは足りない事情も、保育先や地域の相談窓口へ伝えられます。病児保育等の有無や利用条件は、自治体や各施設へ確認が必要です。
うまく回らなかった日を、計画を直す情報にする
準備しても、子どもの体調や勤務の都合は動きます。初日に予定どおり進まなかったことを、自分に働く資格がない証拠にしなくてかまいません。どこで予定が止まり、誰への連絡に時間がかかったかを分けると、次に変える条件が見えてきます。
例えば、勤務時間は守れても持ち帰った連絡の確認が夜まで続くなら、その業務をどう扱うかが話題です。朝の支度が崩れるなら、本人の仕事の能力とは別に、前夜の準備や大人の役割を見直せます。職場の支援計画も必要に応じて見直すことが、公式ガイドで示されています。[2]
振り返りを毎日の反省会にする必要はありません。「最初の二週間が過ぎたら、業務量と呼出し時の対応を確認したい」のように、次に話す機会を持つ方法があります。家族とも職場とも、当初の約束を守れたかだけでなく、何が続けにくかったかを伝えられます。
また、職場へ知らせる家庭の情報は、調整に必要な範囲から考えられます。例えば「迎えのため、この時刻には退勤が必要です」と、勤務に関わる条件を先に伝え、家族内の事情をどこまで説明するかは別に相談できます。引継ぎ先を決めることと、同僚全員へ私生活を詳しく話すことは同じではありません。伝えにくい理由がある場合も、正式な窓口へ個別に確かめられます。
罪悪感の話と、必要な調整の話を分けて持つ
周囲へ負担をかけたくない気持ちが強いと、困っていても「大丈夫です」と答えてしまうことがあります。その気持ちは心理相談で話せます。同時に、業務量や制度、保育の手配は、気持ちを前向きにするだけでは変わらないため、それぞれの窓口との相談が必要です。
「仕事に戻りたい気持ちはあります。でも、どこまで頼むと迷惑になるかが怖く、面談で希望を言えません」と伝えられます。希望が変わったことや、仕事と家族のどちらも大切で答えが出ないことも、話せる内容です。カウンセラーが働き方の正解や職場の正式な判断を代わって決めるものではありません。
睡眠や食事が大きく崩れ、気分や体調のつらさが続く場合は、復帰への慣れだけで説明せず、医療にも相談してください。復帰日までに不安をゼロにすることより、困ったときに誰へ何を伝えるかが分かる準備を進められます。
ALVARAでは18歳以上の方が、保護者としての迷いや相談の言葉を整理できます。育休後の勤務条件の決定や制度の認定、医療の診断を行う場ではありません。仕事と子育ての両方を一人の努力へ集めず、今の生活に必要な条件を関係者と確かめていけます。
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参考・引用文献
記事のつくり方
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このコラムについて
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