大学生のメンタルヘルスが気になるとき

授業、課題、アルバイト、就職活動が重なると、何から手をつければよいか分からなくなることがあります。大学の相談先は、退学や休学を決めた人だけの場所ではなく、まだ迷っている段階でも使えます。

欠席が増えるほど、連絡しにくくなる

説明のために、体調を崩して授業を休み、課題と未読メールがたまった場面を考えます。「全部確認してから連絡しよう」と思うほど、開くのが怖くなることがあります。この場合、すべてを片づけてから大学へ戻るという順番でなくてもかまいません。

最初は「体調が悪く欠席が続いています。課題や履修について、どこに相談したらよいか教えてください」と送る方法があります。欠席の理由を長く説明できなくても、今困っていることと、次の連絡先を知りたいことは伝えられます。

メールを開かずにいると、その瞬間は怖さから離れられます。ただ、何が書かれているか分からないまま期限が近づくと、次はもっと開きにくくなることがあります。「怠けた結果」と決めるより、怖さを減らす行動が、あとで用事を大きくしていないかを見る考え方です。もちろん、連絡できない理由には体調や端末、経済的な事情などもあり、行動だけで心の状態は決まりません。

最初の助けは、自力で全部読む練習とは限りません。相談室で担当者と一緒に重要な連絡を探す、友人に隣にいてもらって窓口へ短いメールを送るなど、次の一歩を人と行う方法があります。「できるようになったら来て」ではなく、できないところから手伝ってもらえます。

気持ちの相談と、手続きの確認は別にできる

不安や落ち込み、人間関係は学生相談室で、履修や提出の期限は教務の担当で、学費や生活費は学生支援の担当で話せる場合があります。名称や担当範囲は大学によって異なるため、最初の窓口で次につないでもらえます。

心身の不調がある場合は、保健管理センターや医療機関で診てもらうことも必要です。相談室で話しているから受診はできない、といったものではありません。一つの場所ですべて解決しようとせず、体調と学校生活をそれぞれ助けてもらえます。

決断する前に、期限だけ聞いておく

休学、履修の変更、試験や課題への対応を考えるときは、制度の有無と期限を先に確認すると、考える時間を持ちやすくなります。「相談したら休学させられるのでは」と心配なら、「まだ決めていません。選べる方法と期限を知りたいです」と伝えられます。調べることは、実行の約束ではありません。

家族への説明や費用も関わるなら、その心配も担当者へ知らせます。書類、連絡、診断書など何が必要かは制度によるので、思い込みで準備を増やさず、まず聞くほうが負担を減らせる場合があります。

心理相談で気持ちを話すことと、授業への出席や課題の出し方を相談することは、それぞれ役割があります。気持ちが少し楽になっても、提出期限は自動で変わりません。反対に、期限を延ばせても落ち込みが続くことはあります。大学で使える配慮は個別に確認しつつ、必要な担当者へ何を伝えるかも相談できます。悩みの全内容を、すべての教員へ説明することが前提ではありません。

今日を過ごすために、用事を減らす

単位や将来のことを考えるほど、食事や睡眠が後回しになることがあります。急がない予定を一つ延期する、アルバイトのシフトを相談する、食べられるものを用意するなど、今の生活を支えることも大切です。友人には「全部手伝って」ではなく、「相談室の場所まで一緒に行ってほしい」と具体的に頼む方法があります。

自分を傷つけそう、ほとんど食べられない、急に具合が悪くなった場合は、学校の手続きより安全と医療を先にしてください。気持ちが落ち着いてからすべてを始めるのではなく、今の状態のままで「一人では進めにくい」と知らせることができます。

参考資料・引用文献:厚生労働省「困ったときの相談先」 / 日本学生支援機構(JASSO)「心理面・健康面に関する配慮について」

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。