不登校の子どもを支える保護者にも、休息と自分のための相談が必要です。子どもが学校へ戻るまで、親が休まず見守り続けなければならないわけではありません。
見通しのない待機と、判断を続ける疲れ
説明用の例です。「明日は行けるかもしれない」と言う子どもに備え、保護者が毎日、外出や仕事の予定を空けています。登校しない日も、欠席連絡、教材の受け取り、親族への説明が続きます。用事がない時間にも、待ち、判断し、予定を変える責任が残っています。
目に見える作業の量だけでは、この負担は分かりません。「一日家にいたのに何もできなかった」ではなく、「いつ動くか分からず休めなかった」という話もできます。子どものその日の希望と、親が実際に送迎や対応できる範囲を、別々に相談する理由になります。
不登校が続く間も、親自身の生活は続いています。子どもが良くなるまで予定を無制限に空けることだけが支えではなく、難しい日の連絡方法や、別の人につながる道を学校・家族と考えられます。
毎日の連絡を、一人で考え直さなくてよい
学校との連絡がいちばん重いなら、連絡帳やアプリを使えるか、窓口を一人にできるか、保護者へ電話する時間を決められるかを相談できます。家族へ代わってもらう部分も考えられます。学校の仕組み上すぐ変えられないこともありますが、「親が全部対応できる」が前提になっている所を伝えられます。
「今は毎朝の欠席連絡と電話の待機が負担になっています。本人のことは相談を続けたいですが、保護者への連絡を__の方法や時間にできないか、考えていただけますか」
本人の気持ちが日によって変わっても、保護者の予定を無制限に空ける約束にしなくてよいのです。送迎など何が可能かを伝え、難しい場合に学校とどうつながるかを、本人・学校・家族と相談できます。
周囲への説明は、短く終えてもかまいません
親族や知人から「いつまで休ませるの」「厳しくした方がよい」と言われると、説明して分かってもらおうと疲れ切ることがあります。相手全員に事情や子どもの話を詳しく伝える必要はありません。
「今は学校とも相談しています。詳しいことは本人の話なので控えます」「今日は助言より、少し話を聞いてほしいです」と区切れます。心配してくれる相手でも、毎回同じ話で傷つくなら、連絡の頻度や話す範囲を減らすことを考えられます。必要な支援を頼む相手と、気持ちを話す相手が違っていてもかまいません。
「受け入れられた親になる」ことを、別の宿題にしないために
不登校の子どもを育てる母親の質的研究17件をまとめた国内レビューは、自分、子ども、家族や周囲との関係が変わる経験を整理しています[1]。一方、自助会の参加者を対象にした研究が多く、支援につながっていない母親や母子世帯等について知見が足りないことも指摘しています。
こうした研究は、保護者の経験を理解するためのもので、全員が同じ段階を通り「成長」すべきだとか、親が受容できれば子どもが登校するという証明ではありません。焦り、怒り、安心が行き来しても、その気持ちを相談すること自体に意味があります。
子どもが学校へ戻るかと、親が眠れる、人へ話せる、日常を少し取り戻せることは、分けて考えられます。必要な見守りを年齢や状態に応じて相談したうえで、友人と話す、好きな時間を持つこともできます。楽しめない親でいることを、子どもを支える条件にしなくてよいのです。
保護者の集まりが助けになる人も、比べて疲れる人もいます。集まりへの参加や、そこで聞いた受け止め方を正解にせず、聞くだけの場や個別相談など、自分に合う支えを選べます。
親だけの相談を、今から始められます
学校の相談室、教育支援センター、自治体の窓口等で、保護者だけで話せるかを尋ねられます。ALVARAも18歳以上の保護者ご自身が対象で、焦り、怒り、親としての罪悪感を話せます。子ども本人を登校させる指導や診断・治療は行いません。
親自身が眠れない、食べられない、生活を保てない状態が続く場合は、医療へ相談してください。自分や子どもの安全を保てない心配があるなら、通常の面談を待たず、身近な大人や適切な緊急の支援を使います。子どもの支援と、保護者の支援を、同時に進めてよいのです。
参考・引用文献
文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」 / 厚生労働省「自分や家族を責めない」 / こども家庭庁「こども家庭センター」 / [1] 沖津 奈緒・朝倉 隆司(2024)日本における不登校生の母親の経験に関する質的研究のスコーピングレビュー.日本健康相談活動学会誌,19(2),37–49.DOI: 10.50846/jjahca.19.2_37.
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このコラムについて
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