カウンセリングは、悩みが深刻かどうかを自分で証明してから受けるものではありません。一人では整理しにくいことや、同じところで行き詰まることを、誰かと考えたいときに利用できます。
相談を考えるきっかけ
仕事や人間関係のことが頭から離れない、家族には話しにくい、選択を前に気持ちがまとまらない。そうしたことも相談の理由になります。毎日の用事ができていても、それだけで負担が小さいとは決まりません。
自分なりに工夫したり、身近な人に話したりしても楽にならず、眠りや集中、人との関わりに影響が出ていることも、相談を考える目安です。反対に、病気の名前がないことは、相談を受けられない理由にはなりません。[1]
初回に話すことと、話さなくてよいこと
初めは、何がきっかけで来たのか、今の暮らしで何に困っているかを話します。「原因が分からない」「いくつか重なっていて説明できない」という状態でも、担当者が尋ねながら整理を手伝います。話したいことを全部書き出したり、自分の性格を分析したりする準備は必要ありません。
面談では、つらさの強さや期間に加え、生活がどれくらい保てているか、何をするとつらさが増減するか、周囲の支えを尋ねます。これは「アセスメント」、今必要な支援を考えるための理解です。診断名を決めることと同じではありません。表面上は出勤できていても、帰宅後は動けないほど消耗しているなら、その代償も含めて話せます。[1]
初回は結論を出す面談とは限らず、相談が役立ちそうか、医療や生活上の支援を組み合わせる必要があるかを考えます。まだ詳しく話したくない内容は、そのことを伝えられます。開示した量ではなく、あなたが必要とする助けを見定めることが目的です。
そのうえで、しばらく気持ちを話すことが助けになりそうか、具体的な対処を試すか、別の窓口の情報が必要かを考えます。「話を聴いてほしい」と「どうしたらよいか一緒に考えたい」は、どちらも伝えてよい希望です。初めの希望が、話している途中で変わることもあります。
医療機関や、公的な窓口との違い
心理職によるカウンセリングは、対話や心理学の方法を用いて、気持ち、行動、人との関係を扱います。心理職は医師ではないため、医師の診察や薬の処方を行うことはできません。身体の不調がある、眠れなさや落ち込みが強い、急に生活が保てなくなった場合は、医療機関での確認も必要になります。
生活費、福祉制度、働くための支援、学校や子育ての調整などは、自治体や職場・学校の窓口が具体的な手続きを支えられる場合があります。悩みの原因が暮らしの問題にあるなら、気持ちの整理だけで解決しようとしなくてよいのです。カウンセリングと医療、公的支援を併用することもあります。
今すぐ自分や誰かを傷つけそう、生命や身体の安全を保てないという場合は、通常の予約を待たず、救急や地域の緊急支援を利用することが先です。これは、相談が必要なほど悩んでいるかを判断する話とは、別の緊急対応です。
相談先を探すときに、最初に見ること
資格や経歴とともに、自分が話したい内容を扱っているか、料金と一回の時間、オンラインか対面かを見ます。続けられる範囲があることも、相談先との相性の一部です。申し込む前に、継続が前提なのか、一度話してから考えられるのかを確かめられます。[2]
ALVARAの個人向け相談は18歳以上が対象です。子どものことを話したい保護者は、保護者自身の負担や関わり方を相談できますが、子ども本人への診療や発達評価とは役割が異なります。利用できる相談方法や料金は、申込み時の案内を確認してください。
話せたことと、暮らしの変化を分けて振り返る
初回は状況を理解する時間が多く、すぐ気持ちが軽くならないこともあります。話を聞いてもらってほっとすること、自分の気持ちが分かること、日常で困る時間が減ることは、重なりますが同じではありません。どれかがすぐ変わらなくても、それだけで失敗とは決まりません。一方、「話せたから順調」とまとめず、その後の眠りや仕事への影響も話せます。[1]
説明用の言い方なら、「面談中は安心しました。でも帰ってから考えが止まらず、翌日の仕事がつらくなりました。次に同じ話を深める前に、進め方を相談したいです」と伝えられます。一度で相談の良し悪しを決めようとするより、助かった面と負担を同時に知らせ、担当者と最初の希望に照らして振り返れます。
担当者と話しても説明が得られない、希望と対応範囲が合わない、つらさが強まる場合には、別の担当者や機関を考えられます。強い不眠や落ち込みなどが続くなら、心理相談だけで待たず、精神科・心療内科等での評価も検討します。生活費や職場の手続きには、それを扱う公的窓口や職場の担当者の助けも使えます。相談を続けること自体より、必要な支えにつながっているかを確かめます。
参考・引用文献
記事のつくり方
記事ごとの関連資料は本文末尾に掲載しています。情報源の選定、更新、訂正、心理療法・心理検査の掲載範囲については、記事のつくり方を確認できます。
このコラムについて
本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。
