友人との付き合いにお金の差を感じるとき|無理のない関係を考える

友人と使えるお金が違っても、無理をして同じ金額を使うことを、関係を続ける条件にしなくてかまいません。自分が参加できる範囲と、会いたい気持ちを分けて伝えられます。

会いたいのに、誘いを見ると気が重い

説明用の例です。学生時代の友人たちが、少し高い店で集まる計画を立てています。会うのは楽しみですが、食事代に交通費も加わると今月は厳しい。「お金がないと言えば気を使わせる」と理由を作って断り、次の誘いまで見たくなくなります。

ここでは、使える金額だけでなく、対等でいられなくなる心配や、以前と生活が変わった寂しさもあるかもしれません。同じ収入でも、医療、住居、家族のケア等で使える額は違います。相手に悪気がないことと、今の提案では負担が大きいことは両立します。

「友達なら察してほしい」と思う気持ちも、詳しく知られたくない気持ちもあってよいのです。ただ、相手は本人の支出の事情を知らないかもしれません。自分の全てを説明するか、黙って合わせるかの間で、参加条件だけを伝える方法を考えられます。

家計の詳細ではなく、今回の範囲を話せる

先ほどの例なら、「今月は交通費を含めてこのくらいまでにしたいので、今回は食事だけ参加したいです」と、必要な範囲だけ伝えられます。収入、貯金、借入などを詳しく開示することが、提案するための条件ではありません。

「みんなの予算を下げてほしい」と頼む方法もあれば、今回は参加しない、別の日に短く会う方法もあります。相手が予定を変えないことを、すぐ友情の否定と決めなくてかまいません。同時に、自分だけが毎回無理をしなければ会えない状態なら、会い方そのものを相談する理由になります。

言い方を整えれば必ず相手が受け入れる、という保証はありません。NHSの一般向けの関係の情報も、自分が担える範囲や気持ちを尊重しながら、相手の話も確かめることを扱っています。[1] 重要なのは、友人を納得させて不快感を全てなくすことではなく、自分が望まない出費を曖昧なまま約束しないことです。

費用だけでなく、決まるまでのやり取りも負担になる

旅行のように大きな予定では、宿代が安くても、食事や移動、キャンセルの扱いが後から加わる場合があります。合計が分からない段階で「大丈夫」と返してしまうなら、申込みの前に費用の見通しや、どの時点で支払いが必要かを尋ねられます。

「細かいと思われるのが怖い」という気持ちはあるでしょう。ただ、予定が決まった後に無理をするより、「予算が分かってから参加を決めたい」と先に伝える道があります。計画する人にとっても、参加人数がいつ決まるかが分かると助かる場合があります。予算を詳しく問い詰めるためでなく、自分の返事の時期を明らかにする提案です。

立替や割り勘が続いて困る場合は、今後の清算方法を分けて相談できます。「前回の分がまだなので、今回は別会計にしたいです」のように、過去の不満全部を一度に解決しなくても、今回の方法を変える余地があります。返金や契約上の争いになっている場合は、心理的な伝え方だけでなく、法律等の専門相談を使う話です。

おごってもらうことにも、自分の希望を持てる

相手から「今回は出すよ」と言われた場合、受け取ってよいと感じる人も、借りができるようで落ち着かない人もいます。どちらかが正しいわけではありません。相手の好意、返礼への期待、自分がどんな形なら安心できるかを分けられます。

「ありがとう。でも自分で払える範囲で会いたい」と伝えることもできますし、返礼の約束をしていないことを確かめて受け取る選択もあります。高価な贈り物や立替の見返りに、断れない頼みや秘密を持ちかけられるなら、それは別の問題です。友人だから応じるべきだと、一人で結論を出さなくてかまいません。

費用の少ない会い方を提案することが、「貧しい自分の証明」に感じられる場合もあります。ここでは経済状況と人の価値を結びつけていないか、自分が友人に何を見られるのが怖いのかを心理相談で話せます。お金の話がしにくい理由を、節約の技術だけで片づけないことが大切です。

友人との比較と、生活を守る相談を分ける

何をしていても友人の暮らしと比べてしまうときは、見えている一場面と、相手の生活全体を知っていることを分けられます。見せている買い物や旅行から、相手の全ての余裕が分かるわけではありません。ただし、自分の支払いが苦しいという現実を、比較の癖だけの問題にしてしまうことも避けます。

家賃、食費、債務などの不安がある場合は、地域の自立相談支援機関等で、家計や生活の助けを確認できます。[2] 友人へ収入の話をする前に、専門窓口で自分の暮らしの見通しを確かめる道もあります。制度には個別の要件があり、全員への金銭給付を約束するものではありません。

心理相談では、断った後の罪悪感、関係を失う怖さ、生活の変化を認める寂しさを話せます。友人と縁を切る結論を先に置かず、会いたい相手、無理が続く場面、変えられる接点を考えます。お金のことを一度言えたら、全ての関係が楽になるという話でもありません。

説明用の一言:「会いたい気持ちはあります。ただ、今月はこの範囲で考えたいです。今回は短い時間にするか、別の日に会う方法も相談できますか。」

ALVARAの個人相談は18歳以上が対象です。経済状況の優劣を判定せず、関係の中で何を伝えにくいかを扱います。家計、債務、法的な個別判断は、それぞれの専門窓口で確認します。

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参考・引用文献

  1. NHS Every Mind Matters「Maintaining healthy relationships and mental wellbeing」
  2. 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。