別れた相手のことが頭から離れないとき|連絡したい気持ちとの付き合い方

別れたと分かっていても、相手へ連絡したい気持ちは残ることがあります。その気持ちをすぐ消すより、必要な用事と、つらさをしのぐための接触を分けて考えられます。

連絡したいとき、何が分かれば楽になると感じるか

説明用の例です。夜になると元パートナーの投稿を見に行き、楽しそうな写真があると「自分だけがつらい」と感じます。何も更新されていないと一度ほっとしますが、しばらくするとまた確かめたくなる。「元気?」と送る文面を書いては消し、眠る時間が遅くなります。

ここでは相手の近況を知りたい気持ちに、まだ大切にされていたい、別れの意味を理解したい、寂しい夜を誰かに受け止めてほしいという願いが混ざっているかもしれません。同じメッセージでも、返事がほしい理由は一人ひとり違います。「未練があるから」と一言にまとめず、いま何を求めているかを考えられます。

ただ、相手から返事が来れば、知りたいことが全て分かるとは限りません。短い返事の意味を読み直す、既読になるまで画面を見続けるなど、接触後に別の不確かさが増える場合もあります。連絡の直前だけでなく、その後どう過ごせるかも、判断の手がかりになります。

必要な連絡と、関係を確かめる連絡を分ける

荷物の受け渡し、住居やお金、子どもに関する用事など、連絡が必要な場合があります。すべて遮断することが現実的でも適切でもないでしょう。その場合は、用件、使う連絡手段、返事を必要とする時期を絞る方法があります。感情を話す時間と同じ場にまとめなくてかまいません。

たとえば荷物の連絡なら、「残っている荷物の受け渡し方法だけ相談したいです」と伝え、関係を戻す話をその返事に託さないようにできます。直接会うことが安全でない、揉めることが予想されるなら、第三者や法律の専門家等を介する方法を相談します。手続きが絡む場合の条件は個別に確かめてください。

一方、返事をしない、連絡を望まないという相手の意思が示されているなら、別の番号やアカウントを使って接触を続けることは勧められません。つらさの強さと、相手の生活へ入る許可は別です。言えなかった言葉は、送らない文章にする、心理相談で話すなど、相手への接触以外の場所で扱えます。

SNSを見る時間は、自分に何を残しているか

2012年の研究では、元パートナーのFacebookを見張るような利用が、別れ後の強い苦痛や相手への思いの強さと関連していました。[1] ただし、これは観察データであり、閲覧が苦痛の原因か、つらい人ほど閲覧するのかは決められません。古い一つのサービスの研究を、現在の全てのSNSや、あなたの回復にそのまま当てはめることもできません。

この研究を「見たら回復できない」という罰のルールにするより、先ほどの例で閲覧の後に眠れなくなることを相談する手がかりにできます。本人が望むなら、通知を受け取らない、寝る場所へ機器を持ち込まないなど、情報との距離を選べます。完全に見ない日数を達成する競争ではありません。

写真やメッセージを今すぐ全て消す必要もありません。残したい記憶と、日々自動的に表示されてつらい情報は分けられます。見えにくい場所へ移す、今は決めず保留するなど、本人が扱える範囲で選べます。再び見てしまったことを理由に、自分をさらに否定しなくてかまいません。

寂しい夜の支えを、元の相手だけにしない

連絡したい衝動が強い時間が分かるなら、その時間に必要なのは返事か、誰かに話を聴いてもらうことか、食事や眠りを取り戻す助けかを考えられます。友人へ「復縁の判断をしてほしいのではなく、今夜少し話したい」と頼むことも一つです。相手の近況を友人経由で調べてもらうこととは違います。

NHSの関係についての情報も、関係の外に支えを持つことや、自分のための時間を案内しています。[2] 趣味を始めれば忘れられる、と急がせる話ではありません。二人で行っていた用事のうち、いま一人では難しい部分を誰かに手伝ってもらうなど、暮らしに近い支えでよいのです。

悲しみが残ることと、別れの判断を取り消すことも同じではありません。自分から別れを選んだ人にも、失った関係への思いはありえます。よかった記憶と苦しかった理由を、どちらかだけへ書き換えず相談できます。

怖さがある場合は、恋愛の悩みだけで抱えない

別れた相手からの脅し、執拗な連絡、待ち伏せなどがある場合は、本人同士で納得し合うことを先にせず、警察や被害支援へ相談してください。法テラスは制度や適切な相談機関の情報提供を行い、個別の法律相談の窓口も案内しています。[3] 自分が相手へ接触し続けてしまいそうな場合も、実行する前に専門家へ相談できます。

心理相談では、関係を失った痛み、答えが分からないことへの耐えにくさ、日常が止まるほど考え続けることを話せます。復縁を目標にする必要も、相手を嫌いになってから来る必要もありません。睡眠や食事が大きく崩れる場合は医療機関にも相談し、切迫した危険があるなら通常の予約を待たず緊急の支援へつながります。

説明用の一言:「必要な荷物の連絡と、返事がないと自分に価値がないと感じて送ってしまう連絡を分けたいです。相手に連絡しない時間を、どう支えてもらうかも相談したいです。」

ALVARAの個人相談は18歳以上が対象です。元パートナーへの代理連絡や、復縁の保証を行うものではありません。

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参考・引用文献

  1. Marshall TC. (2012). Facebook surveillance of former romantic partners: associations with postbreakup recovery and personal growth. Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 15(10), 521–526. DOI:10.1089/cyber.2012.0125.
  2. NHS Every Mind Matters「Maintaining healthy relationships and mental wellbeing」
  3. 日本司法支援センター(法テラス)「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」

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このコラムを書いた人

齋藤 光公認心理師・臨床心理士

ALVARA Counseling Services代表。公認心理師・臨床心理士として相談に携わり、日々の暮らしや人との関わりを考えるための情報を執筆しています。

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このコラムについて

本記事は一般的な心理情報の提供を目的とし、判断・支援の代替ではありません。記事で紹介する心理療法・支援法のすべてを当サービスが提供していることを示すものではありません。体調や安全に不安がある場合は、医療の窓口または地域の相談窓口をご利用ください。